気になった特許の話題 -Patent Topics Explorer-

気になった特許等の知的財産の話題やニュースをピックアップしていくブログです! This blog is picking up intriguing IP topics including patents, trade secrets etc. !

 

 

2022-01-01から1年間の記事一覧

オーストラリア: 【決着】AI発明者の発明者適格性についての上告は最高裁は受理しない模様

以前オーストラリアの2審で、1審の判決を覆し、結局AI発明者の発明者適格性は認められない判決が出たことを投稿しました。 www.patent-topics-explorer.com こちら最高裁に上告されていたようですが、口頭審理の議事録がでたようです。 www.austlii.edu.au …

欧州: 欧州特許庁からも欧州単一効申請にむけたタイムラインが発表される

先日欧州統一特許裁判所の開設目標タイムラインがでたことを投稿しました。 www.patent-topics-explorer.com 下記が公表された工程表の概要図になります。2023年4月から欧州統一特許裁判所が開設し、2023年1月からは移行期間が開始される予定となります。(い…

技術: Google Colabで、Stable Diffusionを実装してみる

個人的に最近はやりのAIによる文章家から画像を自動生成をしてみたくて、幾つかチャレンジしてみたのでメモ。 Midjourneyもありますが、無料版では生成できる画像や利用に制限があるので、ソースコードが開示されているStable Diffusionで実装を試みてみまし…

情報漏洩: GitHub上に機微情報が残ったままコードがアップされる

製薬企業からGitHub上に認証情報等が残ったままコードがアップされ、患者さんの機微情報に第三者がアクセスしうる事態がおこったという報道が出ていました。 www.fiercepharma.com OSSライセンスの要請、コミュニティへの貢献、技術者の採用や維持等の理由で…

米国: 【速報】米国最高裁がEnablementについてAmgen事件を上告受理!

このブログではたびたび知財に関する米国最高裁の上告事件を取り上げてきました www.patent-topics-explorer.com その中に、抗体発明の実施可能要件について争われていたAmgen v. Sanofiがありますが、報道によると米国最高裁が審理を行うことを決めたようで…

日本: デジタル庁のWeb3研究会が独自DAO設立する模様

先日DAOについての投稿を下記のようにしましたが、デジタル庁で面白い取り組みがされるようです。 www.patent-topics-explorer.com コインポストのニュースによると、デジタル庁のWeb3研究会で、独自のDAOを設立する方針という投稿がされました。 coinpost.j…

書評: Web3関係で読んで参考になった書籍

最近Web3関連でいろいろ書籍を読んだので、一通り書評でまとめておこうかと思います。 Web3の概念をまずさくっとつかみたいというところで、下記2冊がありました。Web3ってなんやねんという感じなので、コンセプトと関連技術を掴むという感じでした。 入門 W…

中国: 審査指南改定案が意見募集を開始

10月31日から、中国特許庁が審査指南改定案について意見募集を始めたようです。 www.cnipa.gov.cn 意見募集の期限は2022年12月15日となるようです。 有关单位和各界人士可以在2022年12月15日前,选择以下方式中的一种,围绕再次征求意见内容的修改完善提出具…

ロシア: 最初のロシア特許がユーラシア特許庁Pharmaceutical Registerに登録される

最初のロシア特許が、ユーラシア特許庁Pharmaceutical Registerに登録されたというアナウンスがされていました。 The first Russian patent was included in the EAPO Pharmaceutical Register www.eapo.org 2021年3月からユーラシア特許庁は、Pharmaceutica…

【分岐点】AI生成画像を素材プラットフォームでどう扱うかは岐路に

先日、写真などの素材を販売するGettyにおいて、AIで生成された画像が禁止になるというニュースが出ました。 www.patent-topics-explorer.com Gettyは大手のため業界への影響が心配されたところ、AI生成画像の取扱いは、プラットフォームで異なる対応がされ…

日本: 裁定請求更新速報 再び持ち越し

当ブログではたびたび話題になる裁定請求の話です。 www.patent-topics-explorer.com www.patent-topics-explorer.com www.patent-topics-explorer.com www.patent-topics-explorer.com www.patent-topics-explorer.com 2022年6月の空白期間を終え(和解交渉…

【速報】音楽教室の楽曲使用巡る最高裁事件は上告棄却

先週は特許権の損害賠償の知財高裁大合議がでましたが、 www.patent-topics-explorer.com 多くの知財関連の人は固唾をのんで見守っていたであろう、音楽教室の楽曲使用巡る最高裁事件の判決も出たそうです。 www.jiji.com 裁判所から判決の全文も出ています…

日本: 損害賠償額の認定についての大合議事件の要旨が出る

知財高裁の大合議事件にかかる事件で損害賠償額の認定について、大きな判断がされたそうです。 www.nikkei.com 大合議事件は係属したのはわかるのですが、主要な論点については判決が出るまで分からないことも最近は多いです(ドストライクな案件は最近大合議…

欧州: 欧州統一特許裁判所の裁判官が任命される

先日、欧州統一特許裁判所の新たな解説目標タイムラインについて投稿しました。 www.patent-topics-explorer.com 下記が公表された工程表の概要図になります。 https://www.unified-patent-court.org/sites/default/files/upc_-_exco_-_upc_external_roadmap…

日本: 【続報】DABUS案件の日本での行政不服審査の裁決がでる。

先日に日本のDABUS案件で日本での行政不服審査会の答申が出たことを速報し、こちらに沿った裁決がでるだろうという投稿をしました。 www.patent-topics-explorer.com こちら2022年10月12日に裁決が出たそうです。審査請求段階では、DABUSというAIを発明者の…

技術: イーサリアムの技術基礎について面白かった動画

最近DAO等のWeb3に関連した記事を投稿したり、 www.patent-topics-explorer.com イーサリアムのアップデートなども投稿してきました。 www.patent-topics-explorer.com Web3においてはイーサリアム等のスマートコントラクト機能をもつブロックチェーンが重要…

欧州: [心・証・開・示] Post-published evidenceが考慮される基準についての拡大審判部の心証が口頭審理前に開示される

現在、欧州特許庁の拡大審判部では、進歩性の主張にあたり、出願後の実験成績証明書の提出の基準が争われています。特に、近年その基準は"plausibility"と呼ばれる基準が審判部の判決などで出てきています。 事件の詳細は下記や、 www.epo.org JETROの日本語…

欧州: 欧州特許庁の猶予期間10-dayルールは廃止に向かうもよう

欧州特許庁に対する手続きでは、本来手続きを行う期間に10日間の猶予期間が加えられる、10-dayルールというものがあります。 欧州法律事務所のニュースレターによると、欧州特許庁のAdministrative Councilは10-dayルールを廃止することを決定したそうです。…

AI: 【悲報】AI契約レビューサービスの提供は弁護士法違反となるのか?

AI契約レビューにあたって問題となるのが、弁護士法72条に違反しないかというところがあります。 下記にもありますが、非弁護士の方は、報酬を得る目的で、法律事件に関して法律事務を取り扱うこと等は、原則禁止されています。 (非弁護士の法律事務の取扱…

ドイツ: [悲報]特許法改正の差止め制限導入のその後

ドイツでは、特許が侵害と認められるとほぼ差止めが認められるいわゆるautomatic injunctionが問題とする声があります。 そのような声をうけてか、2021年に下記の差止め制限が導入されています。 2. 差止による救済規定の明確化(2021 年 8 月 18 日施行)特…

裁定請求: 久しぶりの工業所有権審議会のページ更新....!!!

本ブログでは、株式会社ビジョンケアおよび株式会社VC Cell Therapyが独占権を有する特許に対して請求された日本における裁定請求(いわゆる強制実施権請求)を追ってきました。 www.patent-topics-explorer.com www.patent-topics-explorer.com www.patent-to…

欧州: [2023年4月1日]欧州統一特許裁判所の新たな開設目標タイムラインがでる

欧州統一特許裁判所の準備委員会から、UPC開設に向けての新たな目標タイムラインが示されたそうです。 www.unified-patent-court.org 下記が公表された工程表の概要図になります。 https://www.unified-patent-court.org/sites/default/files/upc_-_exco_-_u…

ノーベル化学賞を分析してみよう! -特許編- (結果と内容は保証しませんので悪しからず)

先日Google trendsに基づく今年のノーベル化学賞の受賞内容(クリックケミストリー)についてレビューしてしました。 www.patent-topics-explorer.com www.youtube.com 前回の繰り返しとなりますが、日経サイエンスで詳しく載っていますが、2つの分子を簡単…

ノーベル化学賞を分析してみよう! -トレンド編-

今年もノーベル賞の季節になりました。 前回はイグノーベル賞でしたが、今回はノーベル賞を取り上げますw www.patent-topics-explorer.com 2022年のノベール化学賞ですが、見事クリックケミストリーに決まりました。 www3.nhk.or.jp www.youtube.com 日経サ…

著作権: 【衝撃】画像生成AIの使用で作成した画像がGettyで禁止に

Stable DiffusionやMidjourneyといった画像生成AIを使って生成された画像をGettyが販売を禁止するようです。 gigazine.net 著作権侵害の懸念を等を払拭できないことが理由のようです。Gettyは大手の画像販売サイトなので、今後この流れが波及するかもしれま…

厚労省: 「副業・兼業の促進に関するガイドライン」パンフレット等が公開される

厚生労働省から、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」パンフレット等が公開されたそうです。 www.mhlw.go.jp 今年の7月に、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が改訂され、企業の対応として、副業等を許容しているか、許容する場合はその条件を…

イグノーベル賞: 法律文書の理解を不必要に困難にしている原因の分析

ノーベル賞の時期が近づいてきましたが、その裏で面白くて考えさせられる研究に送られるイグノーベル賞が先じて発表されました。 今年の文学賞は「法律文書の理解を不必要に困難にしている原因の分析」で、法律を扱っている人間としては苦笑いの受賞内容です…

日本: 【速報】DABUS案件の日本での行政不服審査会の答申がでる

DABUSというAIが単独で発明者になれるかという案件が各国で争われていることを投稿していました。 www.patent-topics-explorer.com www.patent-topics-explorer.com www.patent-topics-explorer.com 日本においては出願されていることは確認されているものの…

イーサリアム: The Merge, かんりょう確定な

先日、NFTやスマートコントラクトの基盤暗号資産技術イーサリアムのアップデート"The Merge"が、9月10-20日の間で完了予定である投稿をしました。 www.patent-topics-explorer.com 無事9月15日にMergeが完了したそうです。 coinpost.jp www.nasdaq.com www.n…

セミナー: 国境を越えた特許発明の実施行為に対する特許権権利行使ついてのセミナー

FC2 v. ドワンゴの特許侵害訴訟で、海外にサーバー等が存在する場合の日本の特許権の権利行使ができるかが、にわかに注目が上がっています。 特に、今年6月の東京地裁判決では、海外にサーバー等が存在する場合は、属地主義の観点から日本の特許権は行使でき…