気になった特許の話題 -Patent Topics Explorer-

気になった特許等の知的財産の話題やニュースをピックアップしていくブログです! This blog is picking up intriguing IP topics including patents, trade secrets etc. !

 

 

2025-06-01から1ヶ月間の記事一覧

米国: 「海賊版データ」での生成AI開発は著作権侵害となるのか?米国連邦地裁が下した判断

生成AIの急速な発展は、私たちのクリエイティブな活動を大きく変えつつあります。しかし、その裏側で、AIの学習データが著作権で保護されたコンテンツに大きく依存しているという問題が浮上しています。近年、この問題は裁判所の審理の対象となり、注目すべ…

速報:東京地裁、Google Pixel 7に販売差し止め命令!日本の標準必須特許(SEP)訴訟に新たな局面

標準必須特許に関わる日本の訴訟で大きなニュースが飛び込んできました! 東京地方裁判所は、韓国のモバイルメーカーであるPantechが米Googleの日本法人に対して起こした特許侵害訴訟において、Googleの製品であるPixel 7の販売差し止めを命じる判決を下しま…

欧州: EPOとUPCの調和へ大きな一歩。G1/24審決が示すクレーム解釈の基本原則!

クレーム解釈時の明細書参酌についての拡大審判部の審決G1/24が出ました。 https://link.epo.org/web/case-law-appeals/Communications/G_1_24_Decision_of_the_Enlarged_Board_of_Appeal_of_18_June_2025.pdf 今回拡大審判部に付託された質問は以下です。結…

欧州: AIは「当業者」になれるのか? - 欧州特許庁 T 1193/23 からの示唆

ChatGPTをはじめとする大規模言語モデル(LLM)の進化は、多くの分野で影響を与えています。では、知的財産、特に特許の世界ではどうでしょうか? AIは、特許の新規性や進歩性などを判断する基準となる「当業者(a person skilled in the art)」の代わりに…

米中AI特許戦争、日本はスタートラインにもいない?特許庁レポートが示す絶望的な差

2025年6月に特許庁が「AI関連発明の出願動向調査(国際編)」を公開しました。しかし、その内容は世界のAI開発が完全に「米中二強時代」に突入したこと、そして日本がその激しい競争の舞台から大きく取り残されているという厳しい現実を、残酷なまでに明確な…

日本の特許戦略を左右する?ネットワーク発明の「域外適用」問題

産業構造審議会特許制度小委員会では、来る特許法改正についての議論が行われていますが、今回の焦点の一つがネットワーク関連発明についての特許権の域外適用です。 ソフトウェアなどの発明は現在はインターネットなどのネットワークでその情報処理などが行…