第21期文化審議会著作権分科会法制度小委員会が招集され、「知的財産推進計画2021」をはじめとする政府方針等を踏まえ、下記の事項が検討されています。
12月8日に第2回が開催され、今回は下記太文字の独占的ライセンシーに対する差止め請求権の付与および独占ライセンスの対抗制度について議論されたようです。
[下記リンクのPDF資料より抜粋]
第21期文化審議会著作権分科会法制度小委員会における主な検討事項
<DX対応>
○ DX時代に対応した著作物の権利保護・利用円滑化・適切な対価還元に係る法制度について
<ライセンシーの保護>
○ 独占的ライセンシーに対する差止請求権の付与及び独占的ライセンスの対抗制度について
<権利制限規定の創設・見直し>
○ 研究目的に係る権利制限規定の創設について
○ 裁判手続に係る権利制限規定など既存の権利制限規定の見直しについて
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/hoseido/r03_01/pdf/93343901_03.pdf
先の改正で、著作権のライセンシーにも当然対抗制度が認められることになりましたが、独占的ライセンシーの独占的な地位については第三者に対して対抗できない可能性があるということがこの議論の出発点のようです。
現在の議論については独占的な部分を新たに登記し第三者に対抗することを認めるという案(独占的利用許諾構成)と、専用利用権の設定を認めるという案(専用利用権構成)が上がっており、第三者に対抗するためにはいずれも登記がいるという形になるようです。委員会ではまずは登録対抗制度を前提に制度設計し、状況をみて段階的に問題点を解消する制度改正をしていくことを想定しているようです。
両者では、ライセンシーが登録前にライセンサーが著作権を移転してしまったときに対抗できるかといった点や、ライセンサーの登記協力義務などで違いが出てくる可能性があるようです。
デジタル化においては著作権も重要な知的財産の一つになっていくかと思われます。オープンイノベーションなどで協業も進み、ライセンスも活発になってくると思われるので、こちらの改正動向も注目していきたいですね。
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英語の同様のブログ記事はこちらです。
www.patent-topics-explorer.com