今回は、特許でカバーされる特定のアデノ随伴ウイルス(AAV)キャプシドをエンコードする組換え核酸を含む培養細胞の臨床試験での使用について、Bolar Exemptionの適用があるか争われました。
対象特許は、US10526617B2で、"a cultured host cell containing a recombinant nucleic acid molecule encoding the capsid protein...(以下略)"に関する発明がクレームされています。
今回"SRP-9001"という遺伝子治療のAAVベクターを製造する際に、US10526617B2でカバーされる培養細胞を用いていたそうで、特許侵害訴訟が提起されました。
結論としては、US10526617B2でカバーされる宿主細胞は、米国で医薬を承認する機関FDAで、いわゆる製造販売承認の対象となっていないこと等を理由として、Bolar Exemptionの対象でないとするデラウェア連邦地裁のOpinionがだされたようです。
また、被告は仮にBolar Exemptionの対象でないとすると、原告の特許期間が実質的に延長される趣旨の反論をしていますが、地裁はUS10526617B2でカバーされる宿主細胞は米国において特許期間延長の対象とならないので、原告の主張は失当としてるようです。
US10526617B2
REGENXBIO Inc. et al v. Sarepta Therapeutics, Inc., et al. (1:20-cv-01226, District Court, D. Delaware)
https://ia601805.us.archive.org/32/items/gov.uscourts.ded.73206/gov.uscourts.ded.73206.36.0.pdf
そのほか最近のBolar Exemption参考記事として
www.patent-topics-explorer.com