以前日本の産構審の不正競争防止小委員会で不正競争防止法改正についての議論について紹介しました。
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1月11日に開催された小委員会では、損害賠償規定、ライセンシー保護、国際裁判管轄・準拠法が議論されたそうです。
議事要旨はまだ出ていませんが、当日の資料が掲載されています。
損害賠償規定はエディオン事件で立証負担軽減規定が技術上の秘密に限定されたこともあげられ、立証負担軽減規定を営業秘密全般に拡充することの要否、"物"の譲渡ではデータの譲渡が含まれるか不明確なため明確化することの要否、その他現在の特許法と同様の立証負担軽減規定を盛り込むことの要否などが議論されるようです。
ライセンシーの保護としては、営業秘密や限定提供データに当然対抗制度を導入することの要否が議論されるそうです。知的財産権では同じく無方式主義の著作権ではすでに当然対抗制度が導入され、現在独占ライセンスのライセンシーへの独占性を保護する制度が議論されているところ、不正競争防止法では今回はここまで議論が及ばないかと思いますが、著作権の議論も今後の方向性をみるうえで興味深いところです。
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最後に国際裁判管轄・準拠法については、結果発生地となるところ、判例の少なさや最近の海外流出の傾向を踏まえて、明確化を図る必要があるかが議論の対象になるようです。
(議題)
1. 開会
2. 損害賠償額算定規定の見直しについて
3. ライセンシー保護制度について
4. 国際裁判管轄・準拠法について
5. 閉会
- 資料3 損害賠償額算定規定の見直しについて(PDF形式:2,173KB)
- 資料4 ライセンシー保護制度について(PDF形式:1,228KB)
- 資料5 国際裁判管轄・準拠法について(PDF形式:1,862KB)