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インド: インド知的財産審判委員会IPAB廃止後の状況

経済産業省所管の独立行政法人である工業所有権情報・研修館(INPIT)が運営する新興国知財情報データバンクでインドのインド知的財産審判委員会IPAB廃止後の状況についてのアップデートがされています。

 

従来はインドの行政庁が所管するインド知的財産審判委員会IPABで特許出願が審査部で拒絶された際などはその妥当性が争われていました。しかし、昨年4月4日にインド知的財産審判委員会IPABは廃止となり、その管轄は裁判所に移管されました。それを受けて、例えばデリー高裁では知的財産部が設置されたり、規則最終案が公表されおります。

 

一方で、INPITの記事を読むと、デリー高裁が旧IPABが扱っていた案件すべてに専属管轄をもつというわけではないようです。4か所の特許庁の案件に対する裁判管轄がどうなるかは重要な問題のようです。

 

注目すべき重要な問題の 1 つである管轄権に関する問題は、未解決である。すな わち、インドの4か所(コルカタニューデリー、ムンバイ、チェンナイ)に設置 されている特許庁8は 4 つの高等裁判所の管轄下にあり、また5か所(コルカタニューデリー、アーメダバード、ムンバイ、チェンナイ)に設置されている商標庁 は5つの高等裁判所の管轄下にあることが問題を複雑にしている。どの特許庁・商 標庁の指示、指令、決定に対する不服申立をどの高等裁判所が管轄するかは、まだ 決まっていない。さらに、ある特許庁に提出された特許出願を他の特許庁にいる特 許管理官(審査官)が審査することもある。出願を受理した特許庁の所在地に基づいて管轄高等裁判所を決める方法や出願を審査した特許管理官(審査官)の所在地に基づいて管轄高等裁判所を決める方法も考えられる。 

 

また、裁判官への技術的・科学的なアドバイ ザー(technical/scientific adviser)を導入するかなども検討されているようです。

詳しくは下記リンクをご参照ください。

 

www.globalipdb.inpit.go.jp

 

 

2021年4月6日    インド法務省、IPAB 即時廃止を公表 PDF file (704KB) (JETRO インド知的財産ニュース)

https://www.jetro.go.jp/ext_library/1/_Ipnews/asia/2021/in/20210406.pdf

2021年7月7日    デリー高裁が知財部門を設置 PDF file (390KB) (JETRO インド知的財産ニュース)

https://www.jetro.go.jp/ext_library/1/_Ipnews/asia/2021/in/20210707.pdf

2021年10月20日    デリー高裁、知財部規則について意見募集 PDF file (683KB) (JETRO インド知的財産ニュース)

https://www.jetro.go.jp/ext_library/1/_Ipnews/asia/2021/in/20211020.pdf

2021年12月17日    その他    デリー高裁、知財部規則の最終案について意見募集 PDF file (711KB) (JETRO インド知的財産ニュース)

https://www.jetro.go.jp/ext_library/1/_Ipnews/asia/2021/in/20211217_1.pdf