カナダが、NAFTAを修正した新しいアメリカ-メキシコ-カナダ間の経済協定であるCUSMAに対応するため、特許審査の短縮化を図るいくつかの特許規則の変更案を出しているそうです。
特許規則の最終案はまだ出されていないようですが、2022年には最終化し、実際の運用を開始する予定としているようです。
主な内容は下記になるそうです。
(1)クレーム数が20を超えた際の超過料金の設定
今まではクレーム数の超過料金はなかったそうですが、下記のように超過料金が設定される予定とのことです。
- The fee for each excess claim will be about $100 CAD.
- For a small entity, this fee will be about $50 CAD.
(2)3回目の指令応答以降で審査を継続する場合はRCE提出が必要
今までカナダで最終庁指令が来ることは稀で、実際に最終庁指令が来るまで何度も指令が出ることが通常でした。
今回の規則案では、3回目の庁指令が実質的に最終庁指令となり、それ以降審査を継続する場合はRCE提出が必要とすることが提案されているそうです。
RCE費用は下記になるようです。
- The fee for each RCE will be about $816 CAD.
- For a small entity, this fee will be about $408 CAD.
RCEを提出すると、さらに2回の庁指令を受けることができ、さらに審査を継続する場合は再びRCEを提出する必要があるそうです。また、Final Actionが出た場合は、審判を請求する必要があるそうです。
加えて、Notice of Allowance またはConditional Notice of Allowanceが出た際に、審査状態に戻すにはRCEが必要となるそうです。
(3)Conditional Notice of Allowanceの導入
一部瑕軽微な瑕疵が残っている状況でも審査官はConditional Notice of Allowanceを出し、出願人に軽微な瑕疵の修正を要請することができるようになるそうです。Conditional Notice of Allowanceが出された時点で審査の状態は終了したとみなされ、再び審査状態に戻すにはRCEが必要となるそうです。