気になった特許の話題 -Patent Topics Explorer-

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米国: 前従業員の特許がTrade Secretを含むとして、特許公開の仮差し止めが控訴審で維持された事例

面白いケースがあったのでメモ。

血中酸素濃度測定アルゴリズムを開発した前従業員が新会社を設立し、特許出願をしたそうです。しかし、前の勤務先が当該特許出願には自身のTrade Secretが含まれるとして関連する特許の公開の仮差し止めを求め、地裁及び控訴審で請求が認められた事件です。

 

www.reuters.com

 

判断の面白いポイントの一つとして、前従業員の新会社は当該技術は既に論文などで公表された技術であり"generally known"と主張しましたが、控訴審であるCAFCはある分野で公表されていることが直ちに別分野でtrade secretの状況を否定するものでない旨の判断が下記のようにされています。

 

Under some circumstances, the publication of an alleged trade secret will clearly be sufficient to indicate that the information is generally known. However, the fact that  the trade secret has been revealed in some publication somewhere does not necessarily compel a finding that the information cannot maintain its status as a trade secret for a party in an entirely different field from the one to which the publication was addressed.

 

その他の前従業員の会社の主張も認められず、本件では特許出願の公開の差し止めが維持されています。なお、本件のtrade secretの判断はCalifornia Uniform Trade Secrets Act (“CUTSA”)に基づいて行われているので、州によってはtrade secret該非の判断が異なる場合もあるかもしれないですね。

 

本件は前従業員の関連する特許の公開の仮差し止めでしたが、オープンイノベーションの関係から共同研究先なども同じようなことがある場合もあるかなと思われた事件でした(公開前に特許の存在をするのは難しいですが)。

 

MASIMO CORPORATION v. TRUE WEARABLES, INC. (21-2146)

https://cafc.uscourts.gov/opinions-orders/21-2146.OPINION.1-24-2022_1897012.pdf