先日も記事を投稿しましたが、2021年6月第四次専利法(中国の特許法)改正により、中国では、薬事承認機関が、ジェネリック医薬品承認に際し、先発医薬品メーカーの特許の存在を考慮するパテントリンケージ制度を導入しました。
一方で、特許関係の行政判断は判断は特許庁が行いますが、薬事承認等の行政判断は薬事承認機関が担いますので、パテントリンケージを機能させるためには両者の役割分担や必要な情報の取扱い等を法律等で定める必要があります。
詳しい制度などは下記などが参考になりそうです。
【特許・意匠ニュース】中国、パテントリンケージ制度の実施弁法の公表 | NGB株式会社
パテントリンケージを機能させるには、ジェネリックメーカーがジェネリックの承認申請をした場合、先発メーカーの特許を侵害するか否かの判断が必要になります。
中国のパテントリンケージでは、裁判所か特許庁がその判断を行えることとなっています。
先日裁判所ルートでの最初の判決が出たことを投稿しました。
www.patent-topics-explorer.com
今回は、中国の特許庁ルートでの審決がでた旨の中国特許庁からのアナウンスがありました。詳しくは中国語ですが下記になります。
国家知识产权局 局要闻 国家知识产权局审结首批药品专利纠纷早期解决机制行政裁决案件
今回の特許はPurdue Pharmaceuticalsの塩酸オキシコドン徐放錠という製品になるそうです。
対象となる特許は下記の3つだったそうです。
CN101812065B - Oxycodone hydrochloride having less than 25 ppm 14-hydroxycodeinone - Google Patents
結論は
国家知识产权局成立合议组,对上述案件依法立案,经审理,最终确认仿制药相关技术方案未落入以上专利权的保护范围。
訳すと、「審理の結果、国家知識産権局は、後発医薬品の技術的解決方法が上記特許権の保護範囲に属さないことを最終的に確認した。 」となり、特許権の範囲には入らないという判断になったそうです。
また、下記になるように、「今回の案件は審理期間が6カ月と短く、医薬品の販売審査・承認の過程で発生する特許紛争を効率的に処理し、類似の案件の審理に向けた実務経験を積むことができました。」ということで、ジェネリック品の販売が止まっている9か月より早く審理が終結したようです。
该批案件审理周期仅为六个月,高效地处理了药品上市审评审批过程中产生专利纠纷,也为审理同类案件积累了实践经验。
裁判所も特許庁も最初の案件については、迅速な審理が行われているようです。
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