気になった特許の話題 -Patent Topics Explorer-

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ノーベル化学賞を分析してみよう! -特許編- (結果と内容は保証しませんので悪しからず)

 

先日Google trendsに基づく今年のノーベル化学賞の受賞内容(クリックケミストリー)についてレビューしてしました。

 

www.patent-topics-explorer.com

www.youtube.com

 

 

 

前回の繰り返しとなりますが、日経サイエンスで詳しく載っていますが、2つの分子を簡単にリンカー結合させることができる反応になります。

 

www.nikkei-science.com

 

 

その応用性は広く例えば医薬分野では最近抗体と低分子をリンカーで結合させたAntibody-Drug Conjugate (ADC)とという手法がありますが、抗体と低分子を結合させるリンカー部分にもこの反応が用いられたりします。

 

bio.nikkeibp.co.jp

 

 

 

 

今回は特許編ということで、Google Patentsで、"click reaction" OR "click chemistry"として、全文の中でこちらの用語が使われている出願をラフに検索し、ヒットした国際出願(PCT出願)の動向を見てみようと思います!! 

 

まずは国際出願(PCT出願)の年次出願数ですが、年々出願数が増加していることが分かります。

 

 

総説が出てから20年となりますが、ますます発展し用いられるようになっている技術といえそうです! ノーベル化学賞受賞の理由もわかる気がしますね!

 

 

 

さらに、国際出願(PCT出願)の出願人ランキングを見てみましょう。

 

特徴的なのは大学や研究機関が上位にランクインしています。ノーベル賞受賞者のいるSCRIPPS研究所やスタンフォード大学を抑えて、カリフォルニア大学がダントツの国際出願(PCT出願)の数を誇るようです。

 

企業をみると、ILLUMINA、ALNYLAM、MODERNAといった顔ぶれも上位に見られますので、クリックケミストリーの技術はバイオ分野でも応用されているのではないかということもうかがわれます。

 

 

 

 

 

さて、今度は上位陣の出願がどの時期にされているか見てみましょう。

 

下記の表をみると、2010年以降に上位陣の出願が増加していることがうかがえます。2010年以降に大きなブレークスルーや応用機会がクリックケミストリーで出てきたのかもしれないですね。

 

 

 

 

今回はGoogle Patentsの簡単なキーワード検索でのラフな形でしたが、特許からもいろいろと面白いことが読み取れそうです。

 

より検索式を精緻にしてみたり、分析を丁寧におこなうとさらにいろいろな発見があるかもしれません。

 

いずれにしてもクリックケミストリーは今後も発展・応用性のあるとても面白い分野な気がしますね!