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米国: 画像生成AIが作成したコミックの絵自体は著作権で保護されないという判断

 

画像生成AIで有名となったMidjourneyで作成した絵で作ったコミックの米国著作権局への登録が問題となった事案です。

 

どんな感じの作品化は下記のニュースに扉絵やいくつかのシーンの紹介があるのでご参考です。

gigazine.net

 

 

当初は米国著作権局は登録を許可したものの、コミックの絵が画像生成AIであるMidjourneyで作成されたということが明らかとなり、判断を覆したものになります。

 

www.forbes.com

 

詳しくは、米国著作権局の判断を見てもらえばと思いますが、AIの作成した絵自体の著作権登録は否定されましたが、「人間の書いた文章」や「絵(AIが作成したもの)と文章の選択と配置」については著作権登録が認められています。

 

AIの作成した絵自体 保護されない
文章 保護される
絵(AIが作成したもの)と文章の選択と配置 保護される

米国著作権局の判断

https://www.copyright.gov/docs/zarya-of-the-dawn.pdf

 

 

逆に言えば、AIが作成したもの自体には著作権登録は認められないものの、そこから更に人がアレンジすれば著作権登録が認められうるということかなと思います。

 

通常の場面でも、AIで作成されたものだからということで一律に著作権は発生しないと判断するのでなく、そこに人の関与がないか、関与がある場合に創作性等が発揮されているか判断していくことが必要かと思われます。

 

 

下記のブログでも触れていますが、AIが作ったということに対して開示義務がどこまで及ぶかということも今後注目です。著作権においても、重要な事実をfalse representationした場合は、罰金を科すなどの制裁があるようですが、こちらがひっかっかてくるのかというのは気になりますね。特許法においても米国ではIDSがありますが、AIが関与した場合、どこまで開示義務が生じるのかということもそのうち問題になるかもしれません。

 

ipwatchdog.com

 

 

ちなみに、上記のステップによると、今回は一部容認の判断となりましたが、この場合の不服手続きがされる場合どのように進むかは定かではないそうです。不服申し立てがされる場合はどうなるかも注目のようです。

 

The exact next steps for Kashtanova remain unclear. A cancellation action brought by the USCO under 37 CFR § 201.7 only addresses the option of a 30-day response window by a claimant that receives notice under the statute. The statute does not address what happens if a cancellation is finalized, whether in whole or in part. The decision could potentially be appealed under 37 CFR § 202.5(b)(1), but that statute only addresses disputes in a refusal to register that occur before a completed registration is issued by the USCO.

U.S. Copyright Office Clarifies Limits of Copyright for AI-Generated Works (ipwatchdog.com)