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日本: 生成AIのRAGは侵害になりうるという素案。日本の生成AI終了のお知らせか?

 

文化庁で生成AIと著作権の考え方が議論されてきていまして、個人的には現在多くのサービスやユーザーが使っているであろうRAGがどのような解釈になるか注目してきました。

 

www.patent-topics-explorer.com

 

 

さて、いよいよもって素案が出てきたわけです。

 

資料

文化審議会著作権分科会法制度小委員会(第5回) | 文化庁

 

 

該当する権利制限規定として、著作権法30条の4と47条の5があるのですが、30条の4についてです。

 

 

下記のように、RAGを行うためのベクトルデータの生成を行う段階について、該当する情報を生成AIで出力する目的がある場合は、30条の4は適用されず、侵害となりうるとしているようです。

 

検索拡張生成(RAG)その他の、生成 AI によって著作物を含む対象データを検索し、その結果の要約等を行って回答を生成するもの(以下「RAG 等」という。)については、生成に際して既存の著作物の一部を出力するものであることから、その開発のために行う著作物の複製等は、非享受目的の利用行為とはいえず、法第 30 条の4は適用されないと考えられる。

https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/hoseido/r05_05/pdf/93980701_01.pdf

 

 

47条の5についても、軽微利用にとどまるという解釈が出ています。

 

法第 47 条の5第1項に基づく既存の著作物の利用は、当該著作物の「利用に供される部分の占める割合、その利用に供される部分の量、その利用に供される際の表示の精度その他の要素に照らし軽微なもの」(軽微利用)に限って認められることに留意する必要がある。RAG 等による生成に際して、この「軽微利用」の程度を超えて既存の著作物を利用する場合は、法第 47 条の5第1項は適用されず、原則として著作権者の許諾を得て利用する必要があると考えられる。

 

RAG 等のために行うベクトルに変換したデータベースの作成等に伴う、既存の著作物の複製又は公衆送信については、同条第2項に定める準備行為として、権利制限規定の適用を受けることが考えられる。

https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/hoseido/r05_05/pdf/93980701_01.pdf

 

 

結構この解釈はユーザーにとって重い気がします。

既存のRAGを用いた方法は軽微利用か否かという法解釈に首根っこをつかまれた状態となり、実質的に窮地においこまれたともいえるかもしれません。

この素案の解釈の場合、RAG優勢となった現在の生成AIの利用の実情に水を差すことならないことを祈るばかりです。