気になった特許の話題 -Patent Topics Explorer-

気になった特許等の知的財産の話題やニュースをピックアップしていくブログです! This blog is picking up intriguing IP topics including patents, trade secrets etc. !

 

 

米国

米国: 自身が撮影した写真から生成AIで作成した画像の著作権登録がUSCOで否定される

米国著作権局のreconsiderationプロセスで、生成AIに関連する著作権登録が再び否定されることを容認する決定がでました。 petapixel.com USCOの決定 Microsoft Word - 2023-12-11_SURYAST Review Board Decision Letter_final (copyright.gov) 今回の事件で…

米国: ダブルパテントの議論は続く? en banc請求の行方

IN RE: CELLECT事件がCAFCでなされ、パテントファミリー内であっても自明型ダブルパテントが適用される判決がでました。 22-1293.OPINION.8-28-2023_2181381.pdf (uscourts.gov) これに対して、en bancでの審理を求める請求がなされると共に、数々の団体等か…

米国: バイデン政権が高価な医薬品の特許を制限することを検討

主に医薬品に関連するものと思いますが、バイデン政権が価格の高い医薬品の特許を制限することを検討しいてる旨の報道が出ました。 www.cnbc.com www.whitehouse.gov 報道を読んでいくと、今回の枠組みはバイドール法という、「政府の資金が入った発明に関し…

米国: AIの学習過程が争点のThomson Reuters v. ROSS Intelligenceは陪審含むトライアルへ

AIの学習利用が著作権侵害となるか各国で議論や争いが起きているが、今回Thomson Reuters v. ROSS IntelligenceはFair Useなどの争点について事実の争いがのこされているため、Summary Judgementではなく、陪審含むトライアルに進むOrderが出されたのでメモ…

米国: 再発行特許で、patent term extensionのissue dateはいつになるのか?

医薬品などは承認に臨床試験が必要であり、その間製品を販売し収益を上げることができないため、特定の期間を延長する特許期間延長制度が米国等で認められています。 米国は、臨床試験より後に特許が発行されると、そのissue dateを起算点として種々の特許期…

米国: ニューラルネットワーク発明が具体的な解決手段がクレームにないとして101条違反と地裁で認定された事例

AIの全盛期ですが、米国では101条の特許適格性をいかにクリアーするかがAI特許を取るうえで重要になってきます。 こんかい、ニューラルネットワーク発明が具体的な解決手段がクレームにないとして101条違反と地裁で認定された事例が紹介されていたのでメモ。…

米国: USPTOが優先権の要件を法改正後の案件は緩和するPTAB審決を先例として採用

米国では、Dynamic Drinkware, LLC v. National Graphics Inc.事件が過去により、優先権を主張するためには基礎出願の内容からのwritten diecriptionを求める判決がありました。 これにより過去にPTABではクレームレベルで具体的な記載が基礎出願にあること…

米国: USPTOからGUIやアイコンの意匠登録(デザイン特許)についての審査ガイダンスが出る

USPTOからコンピュータ上であらわされるGUIやアイコンについての意匠登録(デザイン特許)としての適合性についての補助審査ガイダンスが出ました。 www.uspto.gov ガイダンス中では、すべてのアイコンやGUIは意匠登録(デザイン特許)としての適合性を持ってい…

米国: AIの著作権関係の問題に、競争法規制当局も懸念を表明

米国の競争法規制当局であるFTCが、著作権を管轄する米国著作権局に懸念のコメントを提出したそうです。 In Comment Submitted to U.S. Copyright Office, FTC Raises AI-related Competition and Consumer Protection Issues, Stressing That It Will Use I…

米国: AIの発明者適格をめぐる米国最高裁上告は受理なし

ブログをさぼっている間に起きた事件も一応幾つかメモしておくことの一つに、AIの発明者適格をめぐるDABUS事件の米国最高裁上告が受理されなかったことをメモ。 *Order List (04/24/2023) (supremecourt.gov) AIと知財などいくつか取り上げてきましたが、DAB…

米国: Enablementの最高裁判決が出る!!!

本ブログでも何度か取り上げてきましたが、バイオ系の機能的クレームに対するEnablement判断の米国最高裁事件です。 www.patent-topics-explorer.com www.patent-topics-explorer.com さて、ついに待望の最高裁判決が出てきました。 Amgen Inc. v. Sanofi (2…

米国: 審査基準の改訂と、限定要求と分割出願

化学の特許出願ではマーカッシュクレームという選択式のクレーム形式をとることがあります。 たとえば、下記のような形式になります。 マーカッシュ形式とは、化学の分野でよく使われる、複数の構成要素で形成されるあるグループの中から、必要な構成要素を…

米国: 米国知財高裁であるCAFCのお家騒動?

米国では裁判官に基本的には定年がありません。 そんな中、米国知財高裁であるCAFCでは、Newman判事という長くレーガン大統領政権から判事を務めている方がいます。 Newman判事のご経歴などは下記などをご参照です。 ballotpedia.org さて、今回ですがCAFCの…

米国: Internet ArchiveのOpen Libraryのコロナ禍での措置が著作権を侵害すると地裁判断

Internet ArchiveのOpen Libraryのコロナ下での措置が著作権を侵害するという地裁判断が下ったそうです。 www.msn.com article.auone.jp Internet Archiveは下記のOpen Libraryというデジタル書籍をオンラインで貸し出すプログラムを行っているそうです。 op…

シリコンバレー銀行のローン担保としての特許

シリコンバレー銀行の破綻が契機となり、銀行の信用不安が起こり始めています。 www.patent-topics-explorer.com 本件は特許関係ブログですが、シリコンバレー銀行と特許の面白い関係として、スタートアップを多く相手にしていたシリコンバレー銀行の特徴な…

米国: 米国著作権局がAI生成著作物の登録に関する新ガイドラインを公表

米国では、著作権の登録制度が活用されていることもあり、米国著作権局への著作権登録についてGenerative AI自体が著作者となれるかということや、Generative AIで生成された著作物が登録をうけるかについて、事件が起きています。 事件では、AI自体は著作者…

米国: シリコンバレー銀行破綻、スタートアップエコシステムはどうなるのか

融資先のスタートアップの資金繰り悪化による預金引き出しによる残高減少と、利上げによる債券悪化が相まって、財務悪化、増資に失敗し、経営破綻に至ったそうです。 www.nikkei.com 銀行界隈とスタートアップエコシステムにどんな影響があるのか注目が集ま…

米国: 技術的保護がされたソフトウェア対応医療機器の診断・維持・修理目的の利用のルールについて地裁判断

米国の著作権1201条にアクセス制限やコピー制限がついた著作物に対する著作権の権利制限規定がおかれています(著作権が及ばない範囲ということですね)。 *条文を詳しく見たい方は、こちらなど 第12章-著作権保護および管理システム | 外国著作権法一覧 | …

米国: 最高裁が推奨アルゴリズムを提供したプラットフォーマーの責任ついて口頭審理開始

米国で推奨プログラムをめぐるプラットフォーマーの責任についての最高裁の審理に注目が集まっているそうです。 www.nikkei.com 本件、Gonzalez v. Googleという事件で、「2015年にパリで起きた同時テロで死亡した被害者の遺族らが起こした訴訟で、原告側は…

米国: 2022年にNPE訴訟数は予想に反して上昇せず。インフレが寄与か?

Unified Patentsから2022年の米国特許訴訟の統計が発表されました。 www.unifiedpatents.com 景気後退時は、事業会社が特許を売却し資金化する一方、NPEが特許を買いNPEからの特許訴訟が増えると予想されていました。これは以前のリーマンブラザーズ破綻から…

米国: 画像生成AIが作成したコミックの絵自体は著作権で保護されないという判断

画像生成AIで有名となったMidjourneyで作成した絵で作ったコミックの米国著作権局への登録が問題となった事案です。 どんな感じの作品化は下記のニュースに扉絵やいくつかのシーンの紹介があるのでご参考です。 gigazine.net 当初は米国著作権局は登録を許可…

米国: 米国特許庁がAI発明者について意見募集するそう

正式なNoticeは2023年2月14日に出るそうですが、米国特許庁がAI発明者についての意見募集をするそうです。提出期限はpre-publicationによると、2023年7月1日までになるようです。 Request for Comments Regarding Artificial Intelligence and Inventorship …

米国: 退職後の競業避止規定は禁止されるのか? FTCがpublic forum開催へ!

1月に米国FTCが、退職後の競業避止規定を原則禁止する規則案を公表し、衝撃が走っています。競業避止規定があると、転職の際などに前職と競業関係にある会社に入れないなどといいた制約がかかってくる規定になります。入社時や退職時などの誓約書などに入っ…

米国: 知財関連の最高裁口頭弁論期日

現在米国最高裁に係属している知財関連事件の口頭弁論の予定日が下記にのっていたのでメモ! 現在のところこんな形のようです。 Feb 21 – Gonzales v. Google (Does the safe harbor of CDA Section 230 shield Google from liability for encouraging users…

米国: 特許が成立を悪質に遅延させたとして権利行使が認められなかった事例

米国:で、特許が成立を悪質に遅延させたとして権利行使が認められなかった事例があったのでメモです。いわゆるラッチェスというやつです。 法律の判断は下記にあるので、そちらなどに譲ろうかと思います。 Patent Affirmed as Unenforceable Due to Prosecut…

米国: Web3を代表する分散型組織DAOは特許訴訟ができるのか?

このブログではWeb3を代表する分散型組織DAO(分散型自律組織; decentralized autonomous community)について、よく取り上げてきました。 www.patent-topics-explorer.com 今回、DAOが特許訴訟ができるのかという記事があったのでメモ。 www.kramerlevin.com …

米国: NFTと商標・著作権の注目事件

米国でのNFTに関連する商標権と著作権関連の事件として2つ挙げられていたのでメモ! Courts Offer More Guidance on Enforcing Rights to Brands and Images Used with NFTs | Holland & Knight LLP - JDSupra まず一つ目が、Hermes v. Rothschild事件だそう…

米国: ポケモンGoを侵害すると主張したNantWorks特許は2つ目の101条違反の地裁判決

ポケモンGoについて米国では、NantWorksが自身の特許を侵害しているとして、ポケモンGoを提供しているNinaticに特許侵害訴訟が繰り広げられていました。 www.finnegan.com 今回米国特許10,664,518について、米国特許法101条の特許適格を満たさないとして、地…

米国: DABUSのThaler博士、著作権でもAI著作でもねばる

Thaler博士の作ったAIであるDABUSが作ったと主張する発明が、AIが発明者であるとする訴訟が各国で繰り広げられています。 www.patent-topics-explorer.com そのThaler博士ですが、米国でAIが生成した絵画でもAIが著作について争っています。 www.patent-topi…

米国: 知財窃盗を防ぐためのProtecting American Intellectual Property Actに大統領サイン

知財窃盗を防ぐためのProtecting American Intellectual Property Actにバイデン大統領がサインを行ったそうです。 President Biden Signs the Protecting American Intellectual Property Act of 2022 | Foley Hoag LLP - JDSupra こちらの法律では、ホワイ…