気になった特許の話題 -Patent Topics Explorer-

気になった特許等の知的財産の話題やニュースをピックアップしていくブログです! This blog is picking up intriguing IP topics including patents, trade secrets etc. !

 

 

著作権

日本: AIと著作権に関する考え方について(素案)のその他の面白かった論点を拾ってみる

以前もブログで記事にしましたが、2023年12月20日にまだ素案で今後変更などはある状態ですが、文化庁からAIと著作権に関する考え方について(素案)として、最初のドラフトが示されました。 AIと著作権に関する考え方について(素案)(365KB) 文化審議会…

日本: 生成AIのRAGは侵害になりうるという素案。日本の生成AI終了のお知らせか?

文化庁で生成AIと著作権の考え方が議論されてきていまして、個人的には現在多くのサービスやユーザーが使っているであろうRAGがどのような解釈になるか注目してきました。 www.patent-topics-explorer.com さて、いよいよもって素案が出てきたわけです。 資…

米国: 自身が撮影した写真から生成AIで作成した画像の著作権登録がUSCOで否定される

米国著作権局のreconsiderationプロセスで、生成AIに関連する著作権登録が再び否定されることを容認する決定がでました。 petapixel.com USCOの決定 Microsoft Word - 2023-12-11_SURYAST Review Board Decision Letter_final (copyright.gov) 今回の事件で…

米国: AIの学習過程が争点のThomson Reuters v. ROSS Intelligenceは陪審含むトライアルへ

AIの学習利用が著作権侵害となるか各国で議論や争いが起きているが、今回Thomson Reuters v. ROSS IntelligenceはFair Useなどの争点について事実の争いがのこされているため、Summary Judgementではなく、陪審含むトライアルに進むOrderが出されたのでメモ…

中国: 北京インターネット法院でAI生成画像の著作権が認められたらしい

中国の北京インターネット法院で、AIが生成した画像に対して著作権が認められたそうです。 www.globaltimes.cn global.chinadaily.com.cn ニュースによると、画像はStableDiffusionを用いてtext2imageで作られた画像だったようです。 法院は、AIはあくまでツ…

日本: 文化庁審議会でAIと著作権の考え方の骨子がでる

文化庁の著作権分科会法制度小委員会でAIと著作権の考え方について議論が進んでいますが、ついに骨子がでることとなりました。 www.bunka.go.jp 参考資料8にもありますが、年内に骨子をベースにドラフト案ができあがり、年度内に報告書を作成するというタイ…

米国: AIの著作権関係の問題に、競争法規制当局も懸念を表明

米国の競争法規制当局であるFTCが、著作権を管轄する米国著作権局に懸念のコメントを提出したそうです。 In Comment Submitted to U.S. Copyright Office, FTC Raises AI-related Competition and Consumer Protection Issues, Stressing That It Will Use I…

類似性が認められれば生成AI画像は著作権侵害?

ショッキングなタイトルの記事が出ていたので見てみたが、内閣府・文化庁の資料を合わせて読んでみた。実際に、下記の記事の本文でも類似性だけで決まるとは書いていないので、少し安心したのでメモ。 pc.watch.impress.co.jp ちなみにこちらが記事のもとに…

米国: Internet ArchiveのOpen Libraryのコロナ禍での措置が著作権を侵害すると地裁判断

Internet ArchiveのOpen Libraryのコロナ下での措置が著作権を侵害するという地裁判断が下ったそうです。 www.msn.com article.auone.jp Internet Archiveは下記のOpen Libraryというデジタル書籍をオンラインで貸し出すプログラムを行っているそうです。 op…

日本: 文化庁の京都移転、著作権は京都と東京どちらでみるのか?

本日、2023年3月27日から文化庁の機能が京都へ移転することになったという報道がなされています。 www3.nhk.or.jp 文化庁からも、「文化庁、京都へ」という公式サイトも立ち上がっており、いろいろなイベントも企画されているようです。 bunka-iten.kyoto 一…

米国: 米国著作権局がAI生成著作物の登録に関する新ガイドラインを公表

米国では、著作権の登録制度が活用されていることもあり、米国著作権局への著作権登録についてGenerative AI自体が著作者となれるかということや、Generative AIで生成された著作物が登録をうけるかについて、事件が起きています。 事件では、AI自体は著作者…

米国: 技術的保護がされたソフトウェア対応医療機器の診断・維持・修理目的の利用のルールについて地裁判断

米国の著作権1201条にアクセス制限やコピー制限がついた著作物に対する著作権の権利制限規定がおかれています(著作権が及ばない範囲ということですね)。 *条文を詳しく見たい方は、こちらなど 第12章-著作権保護および管理システム | 外国著作権法一覧 | …

欧州: チートプログラムが著作権侵害にあたるか欧州司法裁判所に質問が付託される

欧州でチートプログラムが著作権侵害にあたるかの欧州司法裁判所への質問の付託が行われたそうです。 www.fosspatents.com ドイツ語ですが、被告側のホームページからプレスがでています。 www.gvw.com 仮訳ですが、裁判所からのプレスによると下記の質問が…

米国: 画像生成AIが作成したコミックの絵自体は著作権で保護されないという判断

画像生成AIで有名となったMidjourneyで作成した絵で作ったコミックの米国著作権局への登録が問題となった事案です。 どんな感じの作品化は下記のニュースに扉絵やいくつかのシーンの紹介があるのでご参考です。 gigazine.net 当初は米国著作権局は登録を許可…

米国: NFTと商標・著作権の注目事件

米国でのNFTに関連する商標権と著作権関連の事件として2つ挙げられていたのでメモ! Courts Offer More Guidance on Enforcing Rights to Brands and Images Used with NFTs | Holland & Knight LLP - JDSupra まず一つ目が、Hermes v. Rothschild事件だそう…

米国: DABUSのThaler博士、著作権でもAI著作でもねばる

Thaler博士の作ったAIであるDABUSが作ったと主張する発明が、AIが発明者であるとする訴訟が各国で繰り広げられています。 www.patent-topics-explorer.com そのThaler博士ですが、米国でAIが生成した絵画でもAIが著作について争っています。 www.patent-topi…

まとめ: 2022年読まれた記事ランキング

特別お題「わたしの2022年・2023年にやりたいこと」 、、ということで今年の読まれたブログランキングをやろうと思います! 結果は以下になりました!!! ワールドカップ、生成系AI、欧州単一特許/欧州統一特許裁判所、日本特許庁の公報システム刷新、日本で…

雑感: AIの発展と法的課題

下記にAIと法的課題についてまとまった記事があったのでメモ。 Image-Generating AI: Trends and Legal Challenges | Holland & Knight LLP - JDSupra 2022年は、AI界隈ではMidjourneyやStable Diffusionと画像生成AIが巷を騒がせたかなという個人的な印象で…

米国: 著作権の優先規定は契約違反等にも該当するのか?

今回歌詞などをアノテートしたプラットフォームを有するGeniusが、Google等が自身のプラットフォームの商用利用禁止に違反したとして、米国でGoogle等を訴えた事件が、最高裁に上告された事件がピックアップされていたのでメモ。 ipwatchdog.com 今回の事件…

米国: 米国特許商標庁と米国著作権庁がNFTに関する知財政策についてパブコメ募集

米国特許商標庁と米国著作権庁が非代替性トークン(NFT)*に関する知財政策についてパブコメ募集する旨のアナウンスがありました。 content.govdelivery.com NFTはアートを中心に盛り上がりを見せていましたが、知財界でも知財をNFT化するという動きも出てきて…

【分岐点】AI生成画像を素材プラットフォームでどう扱うかは岐路に

先日、写真などの素材を販売するGettyにおいて、AIで生成された画像が禁止になるというニュースが出ました。 www.patent-topics-explorer.com Gettyは大手のため業界への影響が心配されたところ、AI生成画像の取扱いは、プラットフォームで異なる対応がされ…

【速報】音楽教室の楽曲使用巡る最高裁事件は上告棄却

先週は特許権の損害賠償の知財高裁大合議がでましたが、 www.patent-topics-explorer.com 多くの知財関連の人は固唾をのんで見守っていたであろう、音楽教室の楽曲使用巡る最高裁事件の判決も出たそうです。 www.jiji.com 裁判所から判決の全文も出ています…

著作権: 【衝撃】画像生成AIの使用で作成した画像がGettyで禁止に

Stable DiffusionやMidjourneyといった画像生成AIを使って生成された画像をGettyが販売を禁止するようです。 gigazine.net 著作権侵害の懸念を等を払拭できないことが理由のようです。Gettyは大手の画像販売サイトなので、今後この流れが波及するかもしれま…

書評: エセ著作権事件簿: 著作権ヤクザ・パクられ妄想・著作権厨・トレパク冤罪

久しぶりに書評です。 著作権は、世の中では倫理や感情論も相まって、法律以上の対応が求められることがあります。 タイトルはエキセントリックですが、どんなところに問題が生じうるのか知るうえで参考になりました。 エセ著作権事件簿: 著作権ヤクザ・パク…

著作権&倫理&雑感: イラストの作風を学習するAIを提供するサイトが停止に追い込まれたそう

巷で話題になっているようですが、イラストの作風を学習するAIを提供するサイトが、他人のイラストを学習素材として無断利用する対策が不十分と批判を浴び、機能停止に追い込まれたそうです。 www.j-cast.com ここで、今回のサイトmimicは下記のようなAIを提…

日本: あるAIが作った著作物の著作権の利用規約

AIが書いた絵を使えるMidjourneyが最近話題になっているようです。 www.itmedia.co.jp こちらの著作権の規約ですが、記事によると、原則はユーザーがAI著作物の著作権の権利を有し、一定のものについてMiidjourneyに利用許諾を行うという構成のようです。 ま…

英国: Brexit後イギリスはAI関連知財でEUとは別の道を歩むのか?

英国知的財産局から、「Artificial Intelligence and IP: copyright and patents」に関するコンサルテーション結果の報告書が発表されました。 www.gov.uk こちら、2021年に英国知的財産局は、(1)AIによって作られた著作物の著作権、(2)著作物を利用したテキ…

米国: DABUSを作ったThaler博士はAI著作物でも裁判へ!

先日、Thaler博士の作ったAIのDABUSにより"発明された"とされる発明について、AIであるDABUSのみを発明者とすることの米国特許法における是非が、米国知財高裁(CAFC)での審理が開始したことを投稿しました。 www.patent-topics-explorer.com さて、一方で、…

オープンソースソフトウェアの利活用及びそのセキュリティ確保に向けた管理手法に関する事例集

経済産業省が、「オープンソースソフトウェアの利活用及びそのセキュリティ確保に向けた管理手法に関する事例集」を取りまとめたとのことです。 www.meti.go.jp さて、オープンソースソフトウェアとは、「ソフトウェアのソースコードが公開され、利用や改変…

AI技術で文書を書き換えるという技術があるらしい

中国で、AIで文書を書き換え流用する“洗稿"という行為が行われているそうです。 www.nishinippon.co.jp 自信のSNS等で閲覧数に応じた広告収入を稼ぐ目的等で使われているそうです。 類義語などを用いて文書を書き換えるそうですが、有料版を使うと”80~100%…