気になった特許の話題 -Patent Topics Explorer-

気になった特許等の知的財産の話題やニュースをピックアップしていくブログです! This blog is picking up intriguing IP topics including patents, trade secrets etc. !

 

 

米国:広すぎた差止命令は無効!デラウェア裁判所が示した「差し止め」の限界

この訴訟は、2つの製薬会社、Jazz社(特許を持っている側)とAvadel社(競合する新薬を出したい側)の間で起きました。 Jazz社は、自分たちの薬の特許(’782特許)が切れる前に、Avadel社がLUMRYZという競合薬を、ある特定の病気(特発性過眠症、略してIH)…

日本企業を狙うランサムウェア攻撃:最新事例から学ぶ脅威と対策

近年、企業の事業活動を根底から揺るがすサイバー攻撃として、「ランサムウェア」の脅威が深刻化しています。大企業だけでなく、サプライチェーンを構成する中小企業も標的となり、その被害は計り知れません。 今回は、日本企業が実際に受けたランサムウェア…

LLMの出力を構造化すると、出力の質はどうなる?

LLMの出力をJSONやXMLのような構造化出力をする需要が高まっています。LLMが単体のチャットボットとして利用される時代から、複数のモジュールが連携して動作する複雑なシステムの中核を担う時代へと移行する中で、構造化されたデータ形式は、後続のプログラ…

なぜ日本は生成AIを使わない?総務省白書が示す「周回遅れ」と「慎重さ」の二面性

先日、総務省が公開した「令和7年版情報通信白書」で、日本の生成AI活用に関する、非常に興味深い実態が明らかになりました。こちらの白書の内容はNHKのニュースでも取り上げられてますね! www3.nhk.or.jp 結論から言うと、日本は他の主要国に比べて生成AI…

欧州: ついに決着!「市販で買えるけど作れないモノ」は先行技術か?EPO拡大審判部 G1/23決定

特許においては、「先行技術」という概念が非常に重要です。これは、ある発明が特許として認められる「新規性」や「進歩性」があるかどうかを判断する際に参照される、出願日前に公衆に利用可能であったすべての技術情報を指します。 しかし、これまで欧州特…

ノーベル賞を受賞したタンパク質構造予測AIを生んだ国際コンテスト「CASP」が資金難で消滅の危機

今回は、生命科学やAI分野に大きな影響を与えてきたタンパク質構造予測の国際コンテスト「CASP」が資金難で消滅の危機という記事を紹介したいと思います! Exclusive: Famed protein structure competition nears end as NIH grant money runs out (2 Jul 20…

米国: 「海賊版データ」での生成AI開発は著作権侵害となるのか?米国連邦地裁が下した判断

生成AIの急速な発展は、私たちのクリエイティブな活動を大きく変えつつあります。しかし、その裏側で、AIの学習データが著作権で保護されたコンテンツに大きく依存しているという問題が浮上しています。近年、この問題は裁判所の審理の対象となり、注目すべ…

速報:東京地裁、Google Pixel 7に販売差し止め命令!日本の標準必須特許(SEP)訴訟に新たな局面

標準必須特許に関わる日本の訴訟で大きなニュースが飛び込んできました! 東京地方裁判所は、韓国のモバイルメーカーであるPantechが米Googleの日本法人に対して起こした特許侵害訴訟において、Googleの製品であるPixel 7の販売差し止めを命じる判決を下しま…

欧州: EPOとUPCの調和へ大きな一歩。G1/24審決が示すクレーム解釈の基本原則!

クレーム解釈時の明細書参酌についての拡大審判部の審決G1/24が出ました。 https://link.epo.org/web/case-law-appeals/Communications/G_1_24_Decision_of_the_Enlarged_Board_of_Appeal_of_18_June_2025.pdf 今回拡大審判部に付託された質問は以下です。結…

欧州: AIは「当業者」になれるのか? - 欧州特許庁 T 1193/23 からの示唆

ChatGPTをはじめとする大規模言語モデル(LLM)の進化は、多くの分野で影響を与えています。では、知的財産、特に特許の世界ではどうでしょうか? AIは、特許の新規性や進歩性などを判断する基準となる「当業者(a person skilled in the art)」の代わりに…

米中AI特許戦争、日本はスタートラインにもいない?特許庁レポートが示す絶望的な差

2025年6月に特許庁が「AI関連発明の出願動向調査(国際編)」を公開しました。しかし、その内容は世界のAI開発が完全に「米中二強時代」に突入したこと、そして日本がその激しい競争の舞台から大きく取り残されているという厳しい現実を、残酷なまでに明確な…

日本の特許戦略を左右する?ネットワーク発明の「域外適用」問題

産業構造審議会特許制度小委員会では、来る特許法改正についての議論が行われていますが、今回の焦点の一つがネットワーク関連発明についての特許権の域外適用です。 ソフトウェアなどの発明は現在はインターネットなどのネットワークでその情報処理などが行…

米国: バイオ特許の落とし穴?Xencorの事例から学ぶ、方法クレームとJepsonクレーム前文の重要性

今回は、IN RE: XENCOR, INC.という米国のCAFCの事件を見ていきたいと考えます。 この裁判は、USPTOのPTABによるXencorの特許出願の拒絶維持決定に対するものです。CAFCは、前文の限定とWritten Descriptionの関係について判断したものとして興味深く、また…

AI時代の経営リスクを回避せよ!データガバナンスの4つの柱と経営者の責任

デジタル庁から、経営者を対象として、データガバナンスについてのガイドライン案の意見募集が2025年5月23日期限で始まっています。 www.digital.go.jp 今回のデータガバナンス・ガイドライン案は、デジタル庁が作成したもので、企業の経営者を主な対象とし…

AIが科学を加速する時代へ──JST報告書が示す新潮流

国立研究開発法人科学技術振興機構 研究開発戦略センターからAIについてのトレンド調査の報告書が出てきたので、メモ。 www.jst.go.jp AI技術の発展は、以下の3つの潮流で捉えられているようです。 AI基本原理の発展(さらなる高性能化): 基盤モデル・生成A…