米国のIntellectual Ventures(IV)が、トヨタ・ホンダを米国で提訴したそう。車載部品がIVの特許権を侵害しているとIV社は主張しているそうで、短距離通信に関する特許権も含まれているそうだ。IoT化と共に通信技術が従来の枠を超え、多くの産業で必要な技術となってきている。一方で、IoTの利用側である自動車を含む企業は、通信業界で使われる特許権を有しておらず、なかなか従来のクロスライセンスによる解決が難しい状況があるのではないかと思われる。IoT化は自動車以外の業界でも今後起こりうる波であり、このようなIoT関連特許に対してどのように対応するかは今後各業界求められることになるかと思われる。
つながる車で特許紛争 米社、トヨタ・ホンダを提訴: 日本経済新聞
一方で、車載部品で特許侵害の問題が起きた際に自動車業界では従来はその補償は車載部品メーカーがおうことで対処されてきたようである。一方で、自動車の車載部品が侵害となった際の損害賠償額をどのように算定するかはまだ判断が分かれるところである。自動車のような高付加価値品では、自動車におけるIoT技術の特許権の貢献割合を基準に損害賠償が算定されると高額になりすぎる可能性があり、部品メーカーが対応できる額を超えてしまう可能性もあるのではないかと思われる。
また、上記の補償は、特許権を侵害するとされた際の差し止めのリスクを完全に補填するものではない。IoT品として最終製品と一体となる場合は差し止めリスクも考慮して、どのようにリスクに対応するか考える必要があるのかもしれない。
