気になった特許の話題 -Patent Topics Explorer-

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分析: Natureに紹介されたLaboratory Automationの会社の特許をみてみた①(結果と内容は保証しませんので悪しからず)

 

NatureにCloud labsということで、Laboratory Automationの紹介記事が出ており、Emerald Cloud Lab社とSynthace社の2社が紹介されていたので、。

 

www.nature.com

 

 

まず、1社めのEmerald Cloud Lab社です。

 

企業名: Emerald Cloud Lab, Inc. (Also konwn as Emerald Therapeutics)

創業者: Brian Frezza, DJ Kleinbaum (Co-founder & Co-CEO)

創業: 2010年

HQ: San Francisco, California, United States

売上: 

従業員: 101-250

ステージ: Series C (Total Funding Amount $92.1M; Series A in Nov 2016; Series B in Apr 2019; Series C in Apr 2019)

 

 

ホームページは下記になります。いろいろなオンラインで受託可能なLaboratory Automationのサービスを提供する会社のようです。

www.emeraldcloudlab.com

 

こんな動画もあります。

www.youtube.com

 

会社名でザクっと検索すると、特許は下記などがあるようです。

patents.google.com


 

 

特許出願と、会社の主なアクティビティーを年表化してみると下記のようになるようです。

2010年 創業

2010年5月  WO2011149584A2(最先優先日:2010年5月; 出願日: 2011年3月)

      System and method for propagating information using modified nucleic acids

      ファミリー: 欧州、米国、中国、日本、ブラジル、イスラエル、ロシア、シンガポール

2012年6月 US9429547B1(最先優先日:2012年6月; 出願日: 2013年3月)

      Systems and methods for automated preparation of nucleic acids

      ファミリー: 米国

2012年6月  WO2013188491A1(最先優先日:2012年6月; 出願日: 2013年6月)

      Polynucleotide probe design

      ファミリー: 米国

2013年1月  WO2014113531A1(最先優先日:2013年1月; 出願日: 2014年1月)

      Rotationally sequestered translators

      ファミリー: 欧州、米国、中国、日本、香港、イスラエル、ロシア、シンガポール

2013年3月  WO2014138373A1(最先優先日:2013年3月; 出願日: 2014年3月)

      Preparation of oligo conjugates

      ファミリー: 米国

2014年中旬  Emerald Cloud Lab (ECL) production facility, ECL-1 を開設予定であることを発表 

2015年1月  Emerald Cloud Lab (ECL) production facility, ECL-1 開設  (https://www.businesswire.com/news/home/20150325005277/en)

2015年6月  WO2017004469A1(最先優先日:2015年6月; 出願日: 2016年6月)

      Laboratory experiment data exploration and visualization

      ファミリー: 欧州、米国、中国、日本、豪州、カナダ、香港、イスラエルシンガポール

2016年10月  Emerald Cloud LabがEmerald Therapeuticsからスピンオフ

2016年11月  Series A

2019年4月  Series B/C

 

 

 

当初はEmerald Therapeuticsは、HIVやHPVの治療薬を開発していたようですが、出願を見ると核酸関係の自動化設備の出願を積極的に行っていたことがわかります。

 

その後、HIVやHPVの治療薬の事業から、自動化設備の提供事業にピボットし、Emerald Cloud Labとしてスピンオフしたという経緯になるようです。

 

興味深いのはSeries A後も提供する自動化設備の種類は増えていますが、出願はしていないようであることです。

 

WO2017004469でプラットフォームの技術を取得しておき、その後はノウハウで保護していくという戦略なのかもしれないですね。確かにLaboratory Automationの機器を販売するのでなく、設備をサービスとして貸し出す業態なので、同じサービスを提供する競合が出ても顕現性が低く権利行使が難しいので、むしろノウハウ秘匿という方向になるのかもしれないですね。

 

続編はこちら

www.patent-topics-explorer.com