先日、欧州統一特許裁判所の新たな解説目標タイムラインについて投稿しました。
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下記が公表された工程表の概要図になります。
既に10月に入っていますが、裁判官の採用が始まる予定でしたが、かなりいいペースで進んでいるようです。
今回、85名の裁判官が選出され、34名が法曹資格を有する裁判官(Court of Appeal、Central Divison、Local Division、Regional Divisionに配属)、51名が技術系裁判官(主にCentral Divisonに配属)になるようです。すべての裁判官は6年の任期で任命され、その任期終了後に再任される可能性があるそうです。
またCourt of Appealの長官はMr Klaus Grabinski (DE)、Court of First Instanceの長官はMs Florence Butin (FR)にきまったそうです。
法律系裁判官の役割や、技術系裁判官の役割などは別のところで詳しく解説されると思うので、まずは出てきたデータをいろいろグラフにしてみようと思います。
今回の採用の割り振りをグラフにしてみるとこんな感じになりそうです。
現在の任命リストでは、地方部および地域部のそれぞれに必要な最低限の裁判官しか配置していないように思われます。例えばコペンハーゲンのLocal Divisionではまだ裁判官が任命されていません。UPC協定によると、Local Divisionにはその国の国民であり、法的資格を有する裁判官がいる必要があるようなので、今後も追加の任命もあるのかもしれませんね。
- Local division Copenhagen :
Post to be filled before start of Court’s operation (DK)
ちなみに裁判官の出身をみると、ドイツ、フランス、イタリア等から多く選出されていることがうかがわれます。
法律系と技術系に分けてもドイツが多い傾向は両者で顕著なようです。
最後に男女比はこんな感じになるようです。
今後迎える山場としてはドイツの寄託がいつになるかということですが、タイムライン通りに年明けにサンライズ期間を迎えるのか、年内は欧州から目が離せないですね!