気になった特許の話題 -Patent Topics Explorer-

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欧州: 欧州統一特許裁判所とBrexitとロンドン中央部の場所

欧州特許統一裁判所が実現についに動き出したことを先日投稿しました(①欧州統一特許裁判所と、②特許発行遅延請求や早期欧州単一特許効果申請といった移行期間の欧州単一特許の話です)。

 

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先日のBrexit知的財産権の消尽を取り上げましたが、こちら欧州統一裁判所にも幾つか問題を残しています。

 

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そのうちの一つが、一つが生命科学および化学が訴訟対象の場合の中央部がロンドンに置かれる予定だったということです。ご存じのとおり、イギリスはBrexitによりEUを離脱しました。で、欧州統一特許裁判所は原則はEUの加盟国しか入れないとされていますので、中央部をロンドンに置くことは実質不可能となっています。

 

統一特許裁判所の所在地

第一審裁判所は、(協定締約国が設ける予定の)地方および地域の「部」(Division)、ならびに中央部(Central Division)に分かれます。基本的に、中央部が有効性に関するほとんどの事案を扱い、侵害訴訟は基本的に地方部で行われます。

中央部は、パリ(物理および材料が訴訟対象の場合)、およびミュンヘン(機械および工学が訴訟対象の場合)に置かれる予定です。現状の協定では、中央部はロンドン(生命科学および化学が訴訟対象の場合)にも置かれると明記されていますが、英国がUPC制度に参加しない場合には、変更が必要となるでしょう。

統一特許裁判所の控訴裁判所は、ルクセンブルクに置かれる予定です。

 

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下記の欧州統一特許裁判所の縦鼻委員会のAlexander Ramsayへの昨年12月のインタビューでは、ロンドン移転問題は欧州統一特許裁判所の開始を遅らせることはないとしているようです。しかし、インタビュー記事を見る限り、まだロンドンの代わりの中央部をどこに置くのか決まってはいないようです。これが欧州統一特許裁判所にどのように影響するのか見ていこうと思っています。

 

It remains undecided where the chamber slated for London should move. When and how will the decision be made?
We don’t think that the London question will delay the start of the UPC. The UPC clearly will have no presence in the UK and the reference to London is obsolete. Existing seats of the central division can deal with the cases until the state parties have decided how to progress. Whether there will be a third division and where it should be is for the member states to negotiate.

 

www.juve-patent.com