近年、半導体を経済安全保障と紐づける報道を目にすることが多くなったので、下記の書籍を購入しました。
日本でも、先日トヨタ・NTTなど8社が出資して製造企業ラピダスが設立されました。
さらに、研究組織として、LSTCも立ち上がる予定で、IBMから技術供与を受け、ラピダス-LSTC体制で2nmのロジック・チップの量産体制を構築することが目指されています。
20221111004-1.pdf (meti.go.jp)
一方、ソニーは熊本に大手ファウンドリーTSMCと共に新工場を設立することが発表しており、非常に半導体をめぐる動きが慌ただしくなってきました。
今回のコロナ禍で、半導体不足が叫ばれ、世の中のものの多くに半導体が使われていることが肌で感じることができました。
AIが叫ばれる時代となりましたが、それを下支えするのはCPUであり、GPUであり、いわゆる半導体技術の計算力あってこその状態です。
こちらの本を読むとどのように半導体事業が米国で黎明期を迎え、グローバルな水平分業が進み、米中の対立を背景に経済安全保障の対象となっていったかがよくわかります。
特に、水平分業といいましたが、半導体の製造において特定の要素が一企業に集中してしまっている状況があることがこの本を読むとわかります。
例えば、半導体の量産製造については前出の台湾のTSMCにほぼ集中してしまっている状況のようです。
今回の日本の政策には、日本が失ってしまった半導体技術を再度取り戻すだけでなく、サプライチェーンの急所となっている製造を日本に持ってくることで、予備のサプライチェーンを確保していくことも目的なように思われました。
現在の半導体をめぐるやりとりが分かる至極の一冊でした!