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韓国: 医療方法発明関連特許法改正の公聴会が開かれたそう

JETROの下記記事によると医療方法発明関連特許法改正の公聴会が現地時間の12月8日に開かれたそうだ。

 

JETRO記事によると、「現在、韓国の特許実務は、医療方法の発明を産業上利用することができない発明としてみなし、特許を許容していない。しかし、最近、第四次産業革命のデジタル技術と医療技術が融合して、AIを活用した診断方法などといった医療方法関連の特許出願が急増している。また、米国や欧州などの国々も診断医療を含めた生命工学の新技術を特許対象に拡大させていることを受けて、韓国も医療方法の発明の特許保護に向けた対策を積極的に検討する必要がある。」ということだそうだ。

 

韓国特許庁、「医療方法発明関連特許法改正の公聴会」を開催 | 知的財産ニュース - 知的財産に関する情報 - 韓国 - アジア - 国・地域別に見る - ジェトロ (jetro.go.jp)

 

日本も、治療方法(診断方法、手術方法を含む)等の医療行為は特許法第 29 条柱書の「産業上利用することができる発明をした者は、次に掲げる発明を除き、その発明について特許を受けることができる。」との規定を根拠に、特許を受けることができない運用となっている。

 

今までもそのような議論は出てきたことはあるものの*1、例えば医師などの医療行為に対する特許法の権利行使の制限規定をどのようにするかなどステークホルダー間の合意に達することなく、現状も医療行為は特許をうけることができない。

 

現状は用途特許の解釈を拡大することで運用しているが、実際に権利行使ができるかは不透明なのではと危惧をいただかせた裁判例もあった。*2

 

今後の日本においてもどのような議論が進むのか注目したい。

 

*1 産業構造審議会 知的財産分科会> 特許制度小委員会> 第1回特許制度小委員会 (平成14年9月18日(水曜日)午後2時開会)

第1回特許制度小委員会 配付資料 | 経済産業省 特許庁

産業構造審議会 知的財産分科会> 特許制度小委員会> 第1回特許制度小委員会 資料6 医療行為と特許について(PDF:49KB)

https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/sangyo-kouzou/shousai/tokkyo_shoi/document/seisakubukai-01-shiryou/tokkyo_6.pdf

 

*2 平成23年(ワ)第19435号,同第19436号

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/042/083042_hanrei.pdf