特許庁からイムノクロマト法の特許出願動向の概要版がでました。
イムノクロマト法は、今話題の新型コロナウイルスの抗原検査キットなどで使われる技術です。あとは妊娠検査キットでしたり、アレルギー検査キットなどでも活躍している技術です。
ニーズ即応型技術動向調査「イムノクロマト法」(令和3年度機動的ミクロ調査 概要版)令和4年1月 特許庁
needs_2021_immuno.pdf (jpo.go.jp)
ファミリー数の上位でデンカ、積水メディカル、旭化成といった日本企業が出てくるのは面白いですね(P8)。実際に現在の検査キット不足ではデンカが増産体制を頑張っている旨が報道されていますし、出願件数と業界のポジションは相関していそうです。日本企業はこちらの技術に特許上は強みがあるようですし、頑張ってほしいですね。
一方、中国の動きも面白く、出願ファミリー数だけをみると圧倒的な数を誇っていますが、中国国内のみの出願でほとんど外国出願がされていない現状があるようです(P7)。また、出願人の上位が大学や研究所のようで(P8)、商業化のフェーズまでいっていないのかもしれませんね。
そちらを反映してか、論文では企業中心の日本は少なく、大学中心の中国は多くなっているのは面白いです(P18)。一方で、論文の被引用回数でみると、特に筆頭著者でみると中国籍からの論文の引用回数が非常に多くなっており(P19)、今後中国でもこの分野が育ってくるのかもしれないですね。