このブログではWeb3を代表する分散型組織DAO(分散型自律組織; decentralized autonomous community)について、よく取り上げてきました。
www.patent-topics-explorer.com
今回、DAOが特許訴訟ができるのかという記事があったのでメモ。
(1)訴える側の場合
DAOは法人格を有しない可能性が高く、知的財産権を管理する法人をどのように設立するかという問題が生じます。一部のDAOでは知財管理の法人を作るなどしているそうです。
また、DAOに参加する人間は、DAOと雇用関係を結んでいるわけではないことが多いため、参加者からどのように知財を譲渡してもらうかという問題もありそうです。
(2)訴えられる側の場合
DAOが法人格を有しない場合、訴状をどう送達するか問題が生じます。
上記のブログでは、「In the Ooki DAO case, the Commodity Futures Trading Commission served the members of the DAO by posting the complaint in a chatbot channel used by its members.」とあるように、DAOはDiscordなどでコミュニティを形成していますが、おそらくそちらに訴状を掲載したのかと思われます。
判決が出た際の執行も、匿名性の高いブロックチェーンの中でどう特定するかという問題もあります。トラベルルールも整備されてきているので、頑張ればアドレスから追っていくことも可能な気もしますが、分散化し参加者が多くなると大変かもしれませんね。
一方で、DAOの訴訟指揮を誰がどうとっていくのかといった部分は問題かもしれません。
DAOが一般化してくるとDAOが関わる特許訴訟も今後生じてくるかもしれません。その際にどのようなことが起きるのか興味深いですね。