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米国: AIの著作権関係の問題に、競争法規制当局も懸念を表明

 

米国の競争法規制当局であるFTCが、著作権を管轄する米国著作権局に懸念のコメントを提出したそうです。

 

In Comment Submitted to U.S. Copyright Office, FTC Raises AI-related Competition and Consumer Protection Issues, Stressing That It Will Use Its Authority to Protect Competition and Consumers in AI Markets (2023年11月7日 FTC)

https://www.ftc.gov/news-events/news/press-releases/2023/11/InCommentSubmittedtoUSCopyrightOfficeFTCRaisesAIrelatedCompetitionandConsumerProtectionIssuesStressingThatItWillUseItsAuthoritytoProtectCompetitionandConsumersinAIMarkets

 

 

(1)人間の創作物とAI創作物の著作権法での線引き、(2)ジェネレーティブAIの開発や導入から生じる責任問題などに関心を寄せていることが記載されています。

 

特に、(2)に関しては、「これらの法的責任の問題は、消費者保護と競争政策に関わる。例えば、特定の状況下では、海賊版の使用や著作物の不正使用は、FTC法第5条に基づく不公正な慣行や不公正な競争方法となり得る。」としており、著作権侵害の問題だけでなく、競争法上の問題も生じうることを示唆しているようにも読めます。

 

 

AIの学習や生成過程の議論は、著作権や個人情報などに関する議論が多く見られますが、競争法(日本では独禁法)の観点の議論も注目する必要があるかもしれませんね。