以前、日本でマルチマルチクレーム制限が検討されていることを投稿しました。
www.patent-topics-explorer.com
さて、4月1日からこちらの制限が適用される予定ですが、審査基準案もついに公表となりました。こちら意見募集がされていまして、期間は3月11日までです。
2.意見募集期間
令和4年2月10日(木曜日)~令和4年3月11日(金曜日)
- 電子メールは令和4年3月11日(金曜日)18時まで受け付けております。
- 郵送の場合は令和4年3月11日(金曜日)必着で郵送してください。
さて、下記が審査基準案です。
まず、マルチマルチクレームがあった際ですが、
マルチマルチクレームであることの拒絶理由が通知され、該当するクレームは審査されないようです。
そして、当該拒絶理由通知後に、補正によりマルチマルチクレームを修正した際ですが、マルチマルチクレーム違反以外の要件について審査することが必要になった結果、通知することが必要になった拒絶理由のみを通知する拒絶理由通知については、最後の拒絶理由通知とするそうです。
特許庁が目標とする審査の迅速化のためには、マルチマルチクレーム違反を治癒した後にもう一度いわゆる最初の拒絶理由通知を出すとなると審査が遅れるので、こうするしかないよなという感じですかね。
マルチマルチクレーム違反をあえて入れておくと一回分最初の拒絶理由通知の時間を稼げるのであれば、わざとマルチマルチクレームを入れて審査をゆっくりにしようという出願人もいるかもしれないですしね。
一方で、まじめにやっている出願人が単純なミスでマルチマルチクレームで入れてしまうこともありそのような出願人が不利益被るのはどうかなという思いもあります。結局マルチマルチクレームで審査負担を生んでいるかは分かりませんが、"このような状況を生むなら今まで通りでいいんでない?"という気もします。
特許・実用新案審査基準改訂案の概要(PDF:399KB)
https://www.jpo.go.jp/news/public/iken/document/220210_tokkyo-shinsakijun/220210_tokkyo-gaiyo.pdf
マルチマルチクレーム制限に関する審査基準改訂案 新旧対照表(PDF:292KB)