ニューラルネットワークを用いて、セマンティックに関連するファイルをリコメンドするシステム・方法に関する特許出願が、特許法上の発明の対象となるか争われたＥWHC判決が出てきたので、メモ。
Neutral Citation Number: [2023] EWHC 2948 (Ch)
https://www.bailii.org/ew/cases/EWHC/Ch/2023/2948.html
英国特許庁では、今回の発明は、コンピュータプログラム自体にあたるとして、特許法上の発明に該当しないとされました。
これに不服の理由で、EWHCへの上訴が行われました。
(a) The computer program exclusion is not engaged at all; one does not get as far as finding a relevant computer program.
(b) The reasoning of the Hearing Officer fails to acknowledge a line of cases which Mr Chacksfield described as the "patentable ignoring a computer program" line of cases.
(c) If there is a computer program and the exclusion is prima facie engaged, it does not apply because the claim reveals a technical contribution and the claim is not to a program for a computer "as such".
まず、EWHCは、訓練段階でコンピュータプログラムを含むが、それは一部であり、全体としてアイデアであり、コンピュータプログラムそれ自体を越えるものと判断し、英国特許庁の判断を覆しました。
また、クレームされた発明は技術的貢献があると認定し、学習過程から得られたANNは、コンピュータ・プログラムによる排除の適用を妨げる、外部の技術的効果であると認定しています。
ニューラルネットワーク、特に自然言語処理は欧州では厳しい扱いを受けがちですが、今回のEWHCの判決はポジティブな判決かもしれません。
