欧州特許庁の審判部においても人工知能(AI)は発明者となれないということで決着がついたようです。今後詳しい理由がでるそうですが、"Under the EPC the inventor had to be a person with legal capacity. For this reason at least, the main request was not allowable."とあるように、法的に人格がないと欧州特許条約では発明者となれないということが理由となるようです。
欧州内でもドイツでは今後最高裁に行くかもしれませんが控訴審のBPatGでは、発明者は自然人しかなれないが、自然人と併記する形でAIの発明者欄への記載を認める等の例外を認める判決がでています。
www.patent-topics-explorer.com
日本においては、特許庁から「発明者の表示は、自然人に限られるものと解しており、願書等に記載する発明者の欄において自然人ではないと認められる記載、例えば人工知能(AI)等を含む機械を発明者として記載することは認めていません」という見解が2021年10月27日に出されています。
DABUSのPCT出願は日本にも国内移行されていますが、いまだ公開されていません。これは上記の場合、「願書等の記載事項に不備があるものとして、手続に方式上の違反がある場合に該当することから、相当の期間を指定して手続の補正をすべきことを命じます(特許法第17条第3項(意匠法第68条第2項において準用する場合を含む)、第184条の5第2項、実用新案法第2条の2第4項、第48条の5第2項)」として方式要件違反となるため、仮に係属していても公開されない可能性があるかと思われます。
今後、方式要件違反として出願却下処分となった際に、出願人が行政不服審査法による異議申立てを行った際にこちらの判断が出てくる可能性があるかと思われます。
欧州特許庁審判部の判決文の後日談はこちら
www.patent-topics-explorer.com