現在、政府与党内で経済安保法案の検討が推進中ですが、特許については秘密特許制度の導入が議論されているとされます。
日経新聞の2021年12月26日の報道によると、法案について22年１月に骨格を示し、2月に閣議決定、23年度施行を目指しているようです。
秘密特許制度については、「軍事転用の恐れのある特許の公開を制限し、代わりに出願者や企業に金銭補償する。」という枠組みとなるそうです。この金銭保証の対象がどこまでになるのかは気になるところです。公開が制限されることから保証金請求権分は補填されるのかと思いますが、登録後の部分についてもどこまで補填されるのか今後注目したいところです。
また、報道においては、「海外で特許を得るのも認めない。」というものがありますので、第一国出願義務も検討に入るかもしれません。
さらに、以前からコメントしていますが、「軍事転用の恐れのある特許」の範囲が経済安保と、安全保障より広い概念ですのでどこまで入りうるのかは気になるところです。外為法の安全保障貿易でも思いもよらない技術が対象になっていて、対応に苦慮することがあります。
細かい部分では、秘密特許においては、秘密期間中に審査を行う国(ロシアなど)と審査を凍結する国(アメリカなど)があるので、秘密特許に指定された場合審査自体がどうなるかも個人的には気になるところです。
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