最近の記事で日本で秘密特許制度を含む経済安保法案が検討され始めたといくつか投稿しています。実は日本は明治18年の専売特許条例から昭和23年の特許法改正まで半世紀特許法上に秘密特許制度を有していた国です。さらに、戦後昭和23年法で秘密特許制度が廃止された際に、資料が残っている秘密特許が公開されたため、どのようなものが秘密特許とされていたか運用を調べることができる数少ない国のようです。
本書籍は、特許庁の元技監(特許庁の生え抜きの官僚である技官の就ける最高のポスト)の櫻井孝さんが執筆した書籍で、当時の秘密特許の運用についてアクセスできる資料から非常に丁寧に分析されておりとても参考になります。
例えば、特許庁が秘密特許に分類するかの最初の審査をするにしてもどのような審査官が審査を行うか(大正10年法では軍から特許庁に出向した者が審査官として審査をしていたそう)、民間の技術への対応をどうするかなど、現在実際の制度設計にあたり議論されている部分の当時の日本の運用が紹介されており、面白い書籍となっています。
*J-PlatPatのメンテンナンスが明けたら調べてみようと思いますが、J-PlatPatで当時の日本の秘密特許(昭和23年改正で秘密特許が廃止となり、GHQの指令で当時の秘密特許を資料が残るものは原則公開することになったためのよう)を検索することもできるそうです!
秘密特許に関連する過去の投稿についてはこちらもございます。
www.patent-topics-explorer.com
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