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日本: 著作権について独占ライセンシーの対抗要件やデジタル時代の著作権利用についての文化審議会の議論

2月4日に、文化審議会著作権分科会法制度小委員会(第3回)が開かれたそうです。議事によると今回は下記の項目について議論されたそうです。

 

議事

1開会

2議事

  • (1)「民事訴訟法の改正に伴う著作権制度に関する論点整理(案)」及び「独占的ライセンスの対抗制度及び独占的ライセンシーに対し差止請求権を付与する制度の導入に関する報告書(案)」に関する意見募集の結果について
  • (2)DX時代に対応する基盤としての著作権制度・政策に関する検討について
  • (3)簡素で一元的な権利処理方策と対価還元に関する検討について
  • (4)その他

3閉会

www.bunka.go.jp

 

以下雑記による感想です。

 

(1)「民事訴訟法の改正に伴う著作権制度に関する論点整理(案)」及び「独占的ライセンスの対抗制度及び独占的ライセンシーに対し差止請求権を付与する制度の導入に関する報告書(案)」に関する意見募集の結果について

    → 独占的ライセンシーの保護に向け、独占性についても対抗要件を与える制度設計の提言がされるようです。一方、"独占的利用権許諾構成"と"専用利用権構成"のいずれかにするかは文化庁に委ねられるようです。いずれの構成にしても登録が第三者対抗要件となりますが、ライセンサーに登記協力義務がないことが前提になるようです。

 

(2)DX時代に対応する基盤としての著作権制度・政策に関する検討について

→国会審議の中継について主に議論されたそうですが、おもしろいですね。

 

(3)簡素で一元的な権利処理方策と対価還元に関する検討について

→年末に報道されましたが、一元窓口を設定し補償を制度的に担保することで、デジタル時代の著作権で保護された著作物の利用をしやくする仕組みを検討するようです。H30改正の授業目的公衆送信補償金制度でもありましたが、デジタル時代においては、著作権の本質が排他的請求権による利用の独占という旧来のものから、経済的利益の調整に変遷させるという考え方が今後の法改正でも顔を出すことが多くなりそうですね。

特許においても分野においては排他性によるある意味市場の失敗が起きていますが、著作権のこの考え方というのも面白いなと思っています(特許は分野においては排他性が機能している分野があり、一律に著作権の考え方を入れることは無理だと思いますが)。

 

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