気になった特許の話題 -Patent Topics Explorer-

気になった特許等の知的財産の話題やニュースをピックアップしていくブログです! This blog is picking up intriguing IP topics including patents, trade secrets etc. !

 

 

日本: Web3を代表する分散型組織DAOは訴訟の当事者能力があるか-日本編-

先日、米国のトピックとして下記をメモしました。 www.patent-topics-explorer.com 一方で、日本で分散型組織DAOは訴訟の当事者能力があるか気になるところです。 DAOが日本で法人格を取得しなかった場合の取扱いとしては、「権利能力なき社団」か「民法上の…

米国: 2022年にNPE訴訟数は予想に反して上昇せず。インフレが寄与か?

Unified Patentsから2022年の米国特許訴訟の統計が発表されました。 www.unifiedpatents.com 景気後退時は、事業会社が特許を売却し資金化する一方、NPEが特許を買いNPEからの特許訴訟が増えると予想されていました。これは以前のリーマンブラザーズ破綻から…

米国: 画像生成AIが作成したコミックの絵自体は著作権で保護されないという判断

画像生成AIで有名となったMidjourneyで作成した絵で作ったコミックの米国著作権局への登録が問題となった事案です。 どんな感じの作品化は下記のニュースに扉絵やいくつかのシーンの紹介があるのでご参考です。 gigazine.net 当初は米国著作権局は登録を許可…

雑談: 研究者はChatGPT等の生成系AIをどのような用途で使っているか?

NatureにChatGPT、StableDiffusion、Midjourneyなどの生成系AIをどのように使っているか研究者等のNature読者にアンケートを取った記事があり、面白かったのでメモです。 www.nature.com まず、Nature読者の約80%は生成系AIを使用したことがあるそうで、研究…

書評: 統一特許裁判所と欧州単一効特許 実務者ハンドブック

久しぶりの書評です。 今回紹介するのは、2023年6月1日から欧州統一特許裁判所と欧州単一特許の運用が核的になりましたので、以下の書評をしようかと思います。 統一特許裁判所と欧州単一効特許: 実務者ハンドブック 作者:HOFFMANN EITLE,Dr. Clemens Tobias…

欧州: ドイツが条約寄託-欧州統一特許裁判所の始動-

先日、欧州統一特許裁判所はどうなるのかなという投稿をしていましたが、動きました! www.patent-topics-explorer.com 欧州特許庁の情報によると、ついにドイツがUPCAを寄託したそうです。これにより6月欧州統一特許裁判所の開設に向けて、大きく動き出すこ…

インド: 補正の根拠となるのはクレームだけか?明細書もありか?

日本の実務をしているとタイトルの答えは、当然明細書に書かれた事項も補正の根拠になるだろうと思いますが、なんとインド特許庁は補正はクレームに書かれた事項しか認めないとして拒絶した事例があったそうです。 www.iam-media.com さて、拒絶査定となった…

欧州: 欧州統一特許裁判所は6月1日にオープンするのか?

このブログでは欧州統一特許裁判所等について何回か投稿してきました。現在、欧州統一特許裁判所の開設は2023年6月1日、サンライズ期間の開始は2023年3月1日というタイムラインで動いています。 www.patent-topics-explorer.com www.patent-topics-explorer.…

米国: 米国特許庁がAI発明者について意見募集するそう

正式なNoticeは2023年2月14日に出るそうですが、米国特許庁がAI発明者についての意見募集をするそうです。提出期限はpre-publicationによると、2023年7月1日までになるようです。 Request for Comments Regarding Artificial Intelligence and Inventorship …

日本: 秘密特許制度の基本指針案パブコメへ

先日、秘密特許制度の基本指針案について先日有識者会議で資料が公開された旨を投稿しました。 www.patent-topics-explorer.com その中でパブリックコメントの募集を行うことが言及されていましたが、、、 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/keizai_anzen_ho…

日本: 秘密特許(特許出願の非公開)に関する基本指針(案)が有識者会議の資料で公開される

先日各種新聞で秘密特許(特許非公開)制度の基本方針案について政府案ができたことが、報道されました。 www.patent-topics-explorer.com 経済安全保障法制に関する有識者会議にて、ついにそちらが公開となりました。 経済安全保障法制に関する有識者会議(令…

米国: 退職後の競業避止規定は禁止されるのか? FTCがpublic forum開催へ!

1月に米国FTCが、退職後の競業避止規定を原則禁止する規則案を公表し、衝撃が走っています。競業避止規定があると、転職の際などに前職と競業関係にある会社に入れないなどといいた制約がかかってくる規定になります。入社時や退職時などの誓約書などに入っ…

雑談: Generative AIの体験型の入門講義[コード無し]

近年、StableDiffusion、Midjourney、ChatGPTなどGenerative AI(生成AI)が非常に話題になっており、このブログでも何回か記事を投稿してきました。 www.patent-topics-explorer.com www.patent-topics-explorer.com www.patent-topics-explorer.com 今回、…

米国: 知財関連の最高裁口頭弁論期日

現在米国最高裁に係属している知財関連事件の口頭弁論の予定日が下記にのっていたのでメモ! 現在のところこんな形のようです。 Feb 21 – Gonzales v. Google (Does the safe harbor of CDA Section 230 shield Google from liability for encouraging users…

日本: 秘密特許(特許非公開)制度の対象技術の政府指針原案ができたと報道

久しぶりに、秘密特許ネタになります。 秘密特許(特許非公開)制度の対象技術の政府指針原案が策定されたという報道が各所でされました。 www.nikkei.com www.msn.com 当初は、スモールスタートとして、非公開対象の技術はシングルユースのものに特定し、基本…

雑感: 科学雑誌Nature出たChatGPT関係の記事2つをよんでみた感想

ChatGPTが世間を席巻していますが、科学雑誌NatureでChatGPTについて取り上げた2本についてメモ。 一つ目はChatGPT等のGenerative AIについて、今後の開発方針について示唆をなげかけた記事です。 www.nature.com 気になった個所としては現在や将来の利用法…

米国: 特許が成立を悪質に遅延させたとして権利行使が認められなかった事例

米国:で、特許が成立を悪質に遅延させたとして権利行使が認められなかった事例があったのでメモです。いわゆるラッチェスというやつです。 法律の判断は下記にあるので、そちらなどに譲ろうかと思います。 Patent Affirmed as Unenforceable Due to Prosecut…

英国: 博士課程で生まれた特許の所有権を大学が持てるか高裁判断

大学がで生まれた発明で問題になるものとして、博士課程などに所属する学生が発明を生んだ場合です。 というのも、学生は大学が雇用しているわけではないため、大学に特許の所有権を移すには、教授などのように雇用されているものと異なる対応が必要になる場…

雑談: ChatGPT等のAIに情報を入力するときは注意!

OpenAIが開発した、GPT-3.5という自然言語モデルをベースにしたチャットAIであるChatGPTが衝撃を与えています。 openai.com 色んな内容を回答してくれるのはもちろんですが、プログラマーの方はコードを聞いたりして参考にするなど、様々な用途があるそうで…

米国: Web3を代表する分散型組織DAOは特許訴訟ができるのか?

このブログではWeb3を代表する分散型組織DAO(分散型自律組織; decentralized autonomous community)について、よく取り上げてきました。 www.patent-topics-explorer.com 今回、DAOが特許訴訟ができるのかという記事があったのでメモ。 www.kramerlevin.com …

日本: Web3報告書でDAO関係についてはゼロ回答?

年末にデジタル庁内のWeb3.0研究会から報告書が上がりました。 www.digital.go.jp Web3研究会としてDAOも立ち上げたことでも話題を呼んだ研究会です。 coinpost.jp 一方で、下記の関係省庁取り組みからわかるように、すでにほかの省庁でもいろんな取り組みが…

米国: NFTと商標・著作権の注目事件

米国でのNFTに関連する商標権と著作権関連の事件として2つ挙げられていたのでメモ! Courts Offer More Guidance on Enforcing Rights to Brands and Images Used with NFTs | Holland & Knight LLP - JDSupra まず一つ目が、Hermes v. Rothschild事件だそう…

日本: 特許権等の権利回復の要件の緩和が2023年4月から施行予定

令和3年の特許法等の改正で、審査請求などの特定の法定期限の徒過した場合の権利回復要件が緩和する法改正がなされました。こちら改正はされましたがまだ施行されておらず、4月1日から施行が予定されているようです。 こちらの要件ですが、「正当な理由」か…

米国: ポケモンGoを侵害すると主張したNantWorks特許は2つ目の101条違反の地裁判決

ポケモンGoについて米国では、NantWorksが自身の特許を侵害しているとして、ポケモンGoを提供しているNinaticに特許侵害訴訟が繰り広げられていました。 www.finnegan.com 今回米国特許10,664,518について、米国特許法101条の特許適格を満たさないとして、地…

雑談 & サッカー: 本田圭佑が知財DX会社にシード投資したそう

先日のW杯では、Abemaでの本田圭佑の解説が話題を呼びました。 www.patent-topics-explorer.com www.patent-topics-explorer.com www.patent-topics-explorer.com www.patent-topics-explorer.com そんな本田圭佑ですが、投資家としての顔をもっています。 t…

米国: DABUSのThaler博士、著作権でもAI著作でもねばる

Thaler博士の作ったAIであるDABUSが作ったと主張する発明が、AIが発明者であるとする訴訟が各国で繰り広げられています。 www.patent-topics-explorer.com そのThaler博士ですが、米国でAIが生成した絵画でもAIが著作について争っています。 www.patent-topi…

米国: 知財窃盗を防ぐためのProtecting American Intellectual Property Actに大統領サイン

知財窃盗を防ぐためのProtecting American Intellectual Property Actにバイデン大統領がサインを行ったそうです。 President Biden Signs the Protecting American Intellectual Property Act of 2022 | Foley Hoag LLP - JDSupra こちらの法律では、ホワイ…

大学入試共通テスト: 現代社会に途上国への医薬アクセスと特許権に関係した問題がでる!

先週末は大学入試共通テストが行われ、受験生・関係者の皆様お疲れさまでした。 大学入試共通テストの問題は話題になることが多く、ことしは親ガチャが問題文に出たと話題になったようです。 www.khb-tv.co.jp 一方、難易度も上がったようで今年は非常に難し…

まとめ: 2022年読まれた記事ランキング

特別お題「わたしの2022年・2023年にやりたいこと」 、、ということで今年の読まれたブログランキングをやろうと思います! 結果は以下になりました!!! ワールドカップ、生成系AI、欧州単一特許/欧州統一特許裁判所、日本特許庁の公報システム刷新、日本で…

Podcast: オープンソースソフトウェア取引の落とし穴

オープンソースソフトウェア取引の落とし穴というPodcastがあったのでメモ。 www.mayerbrown.com オープンソースソフトウェアを用いる場合の契約条件として挙げられているものに、事前に使えるものをリスト化する、プロバイダーが情報権利(どのオープンソー…