気になった特許の話題 -Patent Topics Explorer-

気になった特許等の知的財産の話題やニュースをピックアップしていくブログです! This blog is picking up intriguing IP topics including patents, trade secrets etc. !

 

 

特許

欧州: 特許査定のクレームの文言と明細書の文言を適合させる運用は混迷の時代へ!!!

以前、特許査定のクレームの文言と明細書の文言を適合させる運用について矛盾した欧州特許庁審判部の審決が出ていることを紹介しました。 www.patent-topics-explorer.com こちらについて、さらに最近の情報が下記ブログで紹介されています。 ipkitten.blogs…

米国: 現在注目の特許関係で米国最高裁に上告事件の記事

現在注目の特許関係で米国最高裁に上告中の事件の記事があったのでメモ。 www.ipwatchdog.com 詳しくは上記の記事を読んでいただきたいですが、ざっくりと下記の状況のようです。 (1)Cisco Systems v. SRI International: 懲罰的損害賠償の認定について →5/1…

欧州: 欧州特許庁審判部のアニュアルレポート2021

欧州特許庁の審判部からアニュアルレポート2021が出ました。 Despite the continued impact of the COVID-19 pandemic, the Boards of Appeal settled 2938 cases with action, which represents a productivity increase of 11.1% over 2020. The number of…

日本: 第1回特許庁政策推進懇談会が開催されたそう

特許庁で第1回特許庁政策推進懇談会が開催され、議事要旨が公開されたそうです。 第1回特許庁政策推進懇談会 議事要旨https://t.co/LoJsHsPmPP — 特許庁 (@jpo_NIPPON) 2022年5月20日 議事要旨の内容は下記になるそうです。 1. 日時・場所 日時:令和4年4月2…

日本: 医薬品の緊急承認制度と特許期間延長制度

医薬品等は市販までに長期の治験等を行う法律上必要であり、その間は特許期間は経過していくにもかかわらず医薬品等を販売することができません。 そこで、特許法では医薬品などの治験等に要した期間について、一定の限度で特許期間を延長することができます…

日本: 経産省がSEP誠実交渉指針上懸念がある事案の相談窓口を設置

先日、SEP誠実交渉指針上懸念がある事案を経産省が公取委に通報することを考えている報道について投稿しました。 www.patent-topics-explorer.com SEP誠実交渉指針については、下記の投稿もご参考です。 www.patent-topics-explorer.com 関連して、経産省で…

日本: SEP誠実交渉指針上懸念がある事案は経産省が公取委に通報することを考えている模様

先日、経産省が標準必須特許(通称、SEP)のライセンスに関する誠実交渉指針をリリースしたことを投稿しました。 www.patent-topics-explorer.com 標準必須特許とは、特定の規格(例、通信規格5G)を使うのに必須となる特許群のことです。通常、「公平 (Fair)、…

オープンソースソフトウェアの利活用及びそのセキュリティ確保に向けた管理手法に関する事例集

経済産業省が、「オープンソースソフトウェアの利活用及びそのセキュリティ確保に向けた管理手法に関する事例集」を取りまとめたとのことです。 www.meti.go.jp さて、オープンソースソフトウェアとは、「ソフトウェアのソースコードが公開され、利用や改変…

日本: 秘密特許を含む経済安保法成立について各団体からのコメント

先日、秘密特許を含む経済安保法案が衆院両院で可決し、本国会で成立したことを投稿しました。 www.patent-topics-explorer.com 経団連などを含むいくつかの団体からコメントが出ています。現時点でわかっているもののリンクを下記に。 経団連 経団連:経済…

製薬協がコロナワクチン知的財産免除の米欧印南ア合意案に対してコメント

先日、コロナワクチンの知的財産免除に関する枠組みについて、米欧印南アが合意案に至ったと投稿しました。 www.patent-topics-explorer.com 日本には、先発医薬品を作る製薬企業を中心に日本製薬工業協会(通称、製薬協)という団体があります。 こちらが下記…

日本: 大学等への海外特許出願補助を新たに政府が検討

政府が大学や公的機関の海外特許出願の支援を追加することを検討しているようです。 www.nikkei.com 現状もJSTが支援を行っていますが、「外国出願に当たっては、出願・維持に係る費用、翻訳費用、現地の代理人費用など、多額の費用を要するが、大学等でこう…

日本: 「標準必須特許のライセンス交渉に関する手引き(案)」に対する意見募集

「標準必須特許のライセンス交渉に関する手引き(案)」に対する意見募集が始まりました。 特許庁は、近年の裁判例の蓄積や異業種間紛争の表面化を受け、令和3.年度に「標準必須特許と消尽に関する調査研究」を実施し、「標準必須特許のライセンス交渉の手引…

日本: 秘密特許を含む経済安保法案が国会で成立

秘密特許を含む経済安保法案が参議院でも可決し、成立したそうです。 www.sangiin.go.jp 衆議院・参議院の内閣委員会でそれぞれ附帯決議が決議されましたが、法案としては修正なしで下記になるようです。 経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保…

日本: 秘密特許の保全審査手続きの書類作成業務は現状では弁理士は代理できない

秘密特許制度を含む経済安保法案ですが、以前衆議院で可決したことを投稿しました。 www.patent-topics-explorer.com 参議院の内閣委員会でも可決し、明日の11日の本会議で成立する見込みという報道が出ていました。 www.nikkei.com こちらが10日の委員会で…

コロナワクチンの知的財産権免除に関する枠組みについて、米欧印南アが合意案に至った模様

先日コロナワクチンの知的財産権免除に関する妥協案が流出した模様?という記事を投稿しました。詳しい内容は下記の投稿をご覧ください。 www.patent-topics-explorer.com さて、今回報道でコロナワクチンの知的財産権免除に関する枠組みについて、米欧印南ア…

特許インテリジェンスのセミナーPatentSight Summit 2022

PatentSight Summit 2022ですが、今年も6/2-3でオンライン開催されるそうです。 他者のIP情報の活用の話が聞けるのでとても参考になるセミナーです。 www.patentsight.com 6月2日(木) DAY 1 13:15 Zoom入室 開始 13:30 PatentSight Summit 2022 開会 ご挨…

日本: 核酸やアミノ酸の配列を含む特許の配列記載のルール変更迫る

核酸やタンパクの配列を含む特許の配列記載のルール変更が2022年7月1日に近づいてきました。 国際的に合意された形式でST.26と呼ばれる形式になります。 www.jpo.go.jp 7月1日以降のPCT出願はもちろん、日本国内出願やPCT出願から国内移行されたものも適用の…

米国: 2022年度版「知的財産権保護について問題ある国や慣行に関する報告書」(Special 301 Report)公表

今年も米国の通商代表部(USTR)から、「知的財産権保護について問題ある国や慣行に関する報告書」(Special 301 Report)が公表されました。 「知的財産権保護について問題ある国や慣行に関する報告書」(Special 301 Report) 2022-special-301-report.pdf (ty…

セミナー: 欧州統一特許裁判所についてのHOFFMANN EITLEからのセミナー

欧州でも有名な特許法律事務所であるHOFFMANN EITLEから、UPC Masterclassとして欧州統一特許裁判所のセミナーがあるそうです。 Session 1: A new era of pharma litigation? – preliminary injunction proceedings national vs. UPC Thursday, May 5, 2022 …

欧州: 欧州単一特許に関するガイド第2版と改正規則統合版が公表

下記の投稿にもあるように、本ログでは何度か欧州単一特許について投稿してきました。 今まではEU内では特許の効力は単一でなく国ごとであったため、国ごと特許の判断が異なったり、手続きや費用がかさむという問題がありました。導入当初はすべてのEU加盟国…

ジュリスト: 特集 知財紛争をめぐる動き

ジュリストの2022年5月の特集は知財訴訟をめぐる動きです。 産学連携ではオプシーボ問題を取り上げたり、新しく導入した日本版アミカスブリーフも入ってます。 さらに、IoT等を背景に業界を超えて考えるべき標準必須特許についても取り上げています。 GW中の…

論文・特許マップで見る量子技術の国際動向

論文・特許マップで見る量子技術の国際動向の報告書が、JST研究開発センターから公開されています。 今後のイノベーションとして、バイオ、AI、量子といわれるように今後のイノベーション推進役として期待されています。 なかなか実用化にはハードルがある技…

欧州: EU司法裁判所が「特許の有効性が一審で確認されていない状態で仮差し止めは認められないという判断は排除されるべき」と判断

EU司法裁判所が、特許に関連して新しい判断を示しました。 今回の事件ですが、ドイツのミュンヘン地方裁判所からの「特許がまだ第一審の異議申し立てや無効審判を経ていない状態で、裁判所が仮差し止めなどの仮処分を拒否することが、EU法のエンフォースメン…

中国: 中国特許庁ルートのパテントリンケージの最初の審決もでる

先日も記事を投稿しましたが、2021年6月第四次専利法(中国の特許法)改正により、中国では、薬事承認機関が、ジェネリック医薬品承認に際し、先発医薬品メーカーの特許の存在を考慮するパテントリンケージ制度を導入しました。 一方で、特許関係の行政判断は…

再生医療の日本での強制実施権を追う-その3-

本ブログでは、ビジョンケア及びVC Cell Therapyに対して請求された強制実施権の経緯を追っています。 2021年12月28日の日経新聞で、以前の投稿でも触れた特許第6518878号(発明の名称:「網膜色素上皮細胞の製造方法」)に関し、株式会社ビジョンケアおよび…

ブラジル: 特許期間調整制度のウェビナー

ブラジルは最近は改善されていますが、一時期は審査が遅いことで有名でした。 一方で、ブラジル特許法40条で、特許は登録になってから10年間の特許期間が補償する条文がありました。 そのため、10年以上かかって登録になった特許は、本来の20年の特許期間…

台湾: 検討中の特許法改正案の解説記事

2020年からさらなる特許法改正が台湾で検討されているそうです。 2020年12月に改正案の初版、2021年6月に第二案が今までに公表されているようです。 www.globalipdb.inpit.go.jp 台湾では最初の審査手続きで特許査定に至らなかった場合再審査に現在進みます…

中国特許を解説する最新本!

中国専利法(特許法等)は昨年第4次改正が行われ、大幅に内容が変わりました。 一方で、そちらを網羅的に解説する日本語書籍はなく、新しい本が出るといいなと思っていました。 そんな中ついに待望の一冊がでるようです! 私も早速購入しました笑 中国知的財産…

セミナー: 秘密特許制度を含む経済安全保障推進法のセミナー

このブログでも何度も取り上げている秘密特許制度を含む経済安全保障推進法について、TMI特許法律事務所からセミナーが開催されるようです。 概要は下記になるようです。 【概要】1.経済安全保障推進法に関する動向、法案スケジュール、制度背景2.法案の重…

Breaking: AI発明者適格性についてオーストラリア高裁が地裁判決を覆し適格性否定!!

こちらのブログでは継続的に、人工知能(AI)が特許法上の発明者として認められるかの事件をウォッチングしてきました。 www.patent-topics-explorer.com 多くの国ではAIが発明者となることは特許法上は認められないという判断をしています。 その中で異端なの…