気になった特許の話題 -Patent Topics Explorer-

気になった特許等の知的財産の話題やニュースをピックアップしていくブログです! This blog is picking up intriguing IP topics including patents, trade secrets etc. !

 

 

特許

米国: ブロックチェーンは米国特許法で保護される発明か?

アメリカでは、ソフトウェア関連発明等について、特許法上保護される発明のハードルが2014年の最高裁判決以後高くなっています。 より詳しく知りたい方は下記のJETROの記事などを参考にしてください。 米連邦最高裁 Alice 社のビジネス方法特許の適格性につ…

秘密特許制度を含む経済安保法案が衆議院を通過し、参議院へ

今までも秘密特許制度についても経過をフォローしてきましたが、法案が衆議院で賛成多数で可決されたそうです。 経済安全保障強化図る新たな法案 衆院本会議で賛成多数で可決 | NHK | 経済安全保障 本会議前に行われた内閣委員会では附帯決議をもって、可決…

明細書作成を議論する面白うそうなYouTube企画

4月12日21時から下記の内容のYouTube配信があるそうです! とてもおもろしそうなので、メモ。 特許明細書作成のマニアックな論点を実務家でとことん議論しよう - YouTube 概要 特許の明細書作成は職人技的な仕事で、書き方の注意点やポイントなど、マニアック…

米国: 細胞治療の特許期間延長の対象となる"Active Ingredient(医薬活性成分)"は何になるのか?

細胞治療薬の特許期間延長を行う際に、"Active Ingredient(医薬活性成分)"は何になるのかを考察した記事がありました。 www.mofo.com YESCARTAという患者さんの細胞を採取し、がんの認識を向上する遺伝子導入を行った細胞を再投与する細胞治療薬について特に…

欧州: 一転して特許査定のクレームの文言と明細書の文言を適合させる運用を認める審決がでる。

以前より、2021年の欧州特許庁の審査ガイドラインから厳しくなった特許許可時のクレームと明細書の内容が適合しない場合の対応についてウォッチングしてきました。 今回関連する新しい審判部の判断が出たのでメモです。 誤解を恐れずに書くならば、今回の新…

「標準必須特許のライセンスに関する誠実交渉指針」がリリースされる。

標準必須特許のライセンスに関する誠実交渉指針がついにリリースされました。 www.meti.go.jp 下記のライセンスオファー(ステップ1)から対案の提示(ステップ4)までの各段階のとるべき対応が示されているようです。但しあくまで指針のため法的拘束力はないた…

再生医療ベンチャーへの裁定請求はどうなったのか(2022年4月4日時点)?

昨年再生医療ベンチャーのヘリオスが権利者に含まれる特許に対し、株式会社ビジョンケアおよび株式会社VC Cell Therapyが経済産業大臣に対して、特許法第93条に基づく公共の利益のための通常実施権(いわゆる強制実施権)の設定を求める裁定の請求がなされた…

ロシア: 商標権で保護された商品を、商標権者の同意なく流通できる計画を練っているそう

なかなか目を引くものですが、以前ギガジンで下記の衝撃的なニュースが出ていました。 gigazine.net 具体的には、ロシア政府が特許権者の意思と関係なく他社に実施許可(強制実施権)を出した際、非友好国(日本含む)の特許権者(非友好国に市民権を有している…

コロナワクチンの知的財産権免除(TRIPs Waiver)に関する妥協案が流出した模様?

現在コロナワクチンが幾つか出ていますが、それらは特許などを含む複数の知的財産権で保護されています。 インド等の途上国からこれらの知的財産権がコロナワクチンの生産・流通の障害になっているとして、パンデミックの期間はコロナワクチンを保護する知的…

米国: FDAがジェネリック初回承認申請者の市場独占インセンティブの制度見直しを提案したそう

米国の医薬品の先発企業とジェネリックメーカーの間のバランスを利益調整を図る法律として、Hatch-Waxman法という法律があります(こちらの法律を詳しく知りたい場合は末尾の書籍がおすすめです!)。 Hatch-Waxman法ではジェネリックメーカーの早期の市場への…

知的財産権に関係する税務も、オープンイノベーションでは実は大事

近年オープンイノベーションが盛んになり、特許に関連するライセンスや譲渡について金銭をやりとりする事例も増えてきています。 そんな時、一つ忘れてはいけないのは税務の観点でも注意すべきことが出てきます。 そなおり、一つの書籍がでてきたのでメモ。 …

米国: コロナワクチン無償提供終了の危機

アメリカ議会ではコロナワクチンの無償提供の予算建てにもめているようですね(正確にはコロナ対策全般ですが)。 予算建てができないと、65歳以上の4回目のブースターショットや、5歳以下の最初の投与については確保していますが、その他の年齢層への追加接種…

日本: 特許権存続期間延長登録出願により延長登録された特許権の効力と、ジェネリック会社の製剤特許の存在の関係

医薬品は有効性・安全性の確認のため、厚労省から製造販売承認を得るまで長期間かかります。一方で、特許の保護期間は出願から20年と決まっており、承認までの間特許製品を販売等することができないにもかかわらず、特許期間は経過していってしまっています…

ロバート秋山のあのネタが特許に! 実は特許権利化の手続きはとても戦略的だった!

特許でサーチエンジンで検索していると、こんな記事が。。! mdpr.jp 知財業界ではひそかに知っていた人もいたかもしれませんが、ロバート秋山さんが「月曜から夜ふかし」で”あのネタ”の小道具を特許化していたとして、話題になっているそうです。 ちなみに、…

IoTに入るには特許利用料はどうすべきなのか

先日の日経新聞の記事で、4G/5G等の通信規格のIoT関係の特許を集め「特許プール」を形成し、ライセンスを行う企業「アバンシ」*の記事がありました。 *アバンシのHPはhttps://www.avanci.com/ www.nikkei.com そのあとに、現在問題となっているコネクテッド…

アイルランド最高裁は本当に特許期間延長SPCの質問を付託していたみたい

以前アイルランド最高裁から欧州における特許期間延長制度であるSPC制度に関して、EU法の法令解釈をつかさどる欧州司法裁判所(CJEU)に質問が付託されたという投稿をしました。 www.patent-topics-explorer.com 下記にあるように実際にアイルランド最高裁から…

欧州単一特許の翻訳文は機械翻訳でもよいのか?

下記の投稿にもあるように、欧州単一特許の実現が間近になってきたこともあり、欧州単一特許も盛り上がってきました。今まではEU内では特許の効力は単一でなく国ごとであったため、国ごと特許の判断が異なったり、手続きや費用がかさむという問題がありまし…

日本: 秘密特許制度法案が公開されたので気になった箇所をピックアップ

内閣官房のページに経済安保法案が公開されました。 www.cas.go.jp 基本的には有識者会議の骨子や報道に準じた内容でサプライズは無いのですが、法案読んでい秘密特許制度(法案では、「特許出願の非公開」となるらいしですが)でなるほどなと思ったところをメ…

ニュージーランド: AIは発明者になれないと特許庁が判断を下す

DABUSというAIを発明者として記載したときに、特許出願が認められるかについて日本を含むいろんな国で争われています。 今回ニュージーランド特許庁が判断を下しました。おそらく出願人は上訴すると思われますが、お隣のオーストラリアでは連邦裁判所がAI単…

日本: 秘密特許制度を含む経済安保法案が閣議決定される

続々とニュースが出ていますが、秘密特許制度を含む経済安保法案が閣議決定されたそうです。官邸ホームページを見に行くと2/25に閣議決定されており、正式名称は「経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律案(決定)」となるよ…

ノキアがIoT等の標準必須特許訴訟でなぜ主要なプレーヤーとなったのか?

Nokiaの元会長が執筆した書籍です。 ノキアを携帯電話事業から現在の事業構造へと変換させた一連の話が載っています。 NOKIA 復活の軌跡 posted with ヨメレバ リスト・シラスマ/渡部 典子 早川書房 2019年07月04日頃 楽天ブックスで探す 楽天koboで探す Ama…

日本: マルチマルチクレームを日本で使いたければ、3/31までに出願だ!

以前から日本でのマルチマルチクレームの制限について投稿しておりました。 特許における権利範囲の書き方のお作法のことで、マルチ商法とは一切関係ありません。しかし、されどお作法。4/1からお作法が厳しくなるというものです。 www.patent-topics-explor…

欧州: 既存の結晶多型に対して優れた効果を有するとして結晶特許が欧州特許庁審判部で認められた事例

結晶技術がより普及されることで、日本では技術常識・周知技術等を合わせてなかなか結晶特許が認められない状況が続いています。 欧州特許庁審判部で結晶特許の特許性が認められた事例があったのでメモです。 EP2398784はFebuxostatという薬で、日本では帝人…

EU: 統一特許裁判所管理委員会の設立総会が開催!

2月22日に、統一特許裁判所管理委員会の設立総会が開催されたそうです。 下記にあるように、委員会の手続き規則を採択し、その法的枠組みを定めたほか、欧州特許訴訟資格証明書およびその他の適切な資格に関する規則、裁判所の服務および職員規則、財務規則…

EU: アイルランド最高裁からSPCに関する先決裁定の付託がCJEUになされたか?

現地の報道によると、アイルランドの最高裁からCJEUに対して新たな特許期間延長制度であるSPCに関する先決裁定の付託がなされたよう。 A judgment by Justice Peter Charleton, on behalf of the five-judge Supreme Court, referred four questions to the …

インド: コロナワクチンの知的財産不行使(TRIPS waiver)からインド企業は除かれる案も出ている?

コロナワクチンの知的財産権を巡っては、一定期間その行使をしないTRIPS waiverを望む声がインドやアフリカ諸国を中心に出ていました。 しかし、先進国との溝は深く現在に至るまで、合意に至っていません。 当初の記事は下記の日経新聞等をご参照ください。 …

米国: 米国特許庁からの中国バイオ医薬分野の特許関連セミナーが開催されるそう

米国特許庁が中国バイオ医薬分野の特許関連セミナーが開催されるそうです。 中国では第4次専利法改正がなされましたが、バイオ医薬分野は特許期間延長やパテントリンケージ制度などが導入されるなど、改正の影響が大きい分野のひとつだったのではないでしょ…

米国: 5G特許戦争は誰も勝者がいない...?

米国特許庁が5Gの特許出願について調査した報告書を出しました。 米国特許庁の結論では、5G特許では一つの会社や国が特許を支配している状況ではないということのようです。 資料の中ではFig 1がなかなか面白いデータかなと思われました。 まずこの報告書で…

書評: 「EU司法裁判所概説」中西 優美子 著

先日も欧州単一特許・欧州統一特許裁判所について投稿しましたが、欧州単一特許・欧州統一特許裁判所もいよいよ現実味を帯びてきました。 www.patent-topics-explorer.com ここで、欧州単一特許はEU法に関するため、その規則の解釈においては欧州司法裁判所…

欧州: EUが中国を知財問題でWTOに提訴!でも理由は何なのか見てみよう!

産経新聞でEUが中国をWTOに提訴するというニュースが下記のように出てきました。 しかし、理由は知的財産権の保護を認めていないという理由ですが、具体的には何か書いていません。 実際に何が問題とEUがしているのか見ていきましょう! www.sankei.com さて…